投句数はひとり5句まで
兼題俳句をひとつずつ入れてください
投句後の編集はできません。
04月10日(月) 10時27分46秒 箱の居候 【投票箱】集計結果[前のページ] [次のページ]
㊗おめでとうございます。
投句42句の中から選ばれました集計結果です。
今回の投票は、4月1日(土)に投句一覧が発表されてから、4月6日(木)「選句会」までの期間でした。
〈1位5票〉
アイゼンのすんでのところ蕗の薹
〈2位3票〉
さへづりの山懐やいのち呼ぶ
野遊びや黄色い帽子わつと散る
〈3位2票〉
囀りに遠く一羽の鴉かな
囀りの張り合ふ木の葉隠れかな
青き踏む古希には古希の若さかな
母逝いて和解の前の雪解川
さへづりや携ふる笛吹かぬまま
〈4位1票〉
彼方此方と囀り賑わふ散歩道
さえずりや『沈黙の春』再読す
鶯や古民家カフェの奥の席
さえずりに耳澄ます朝ソロキャンプ
落ち椿光る川面をしつらえり
コンクリの川底透ける残り鴨
囀や今朝の厨の窓揺らす
作家消ゆ戦後精神問ひ続け
04月10日(月) 09時28分10秒 箱男 3月選者の会の評のいろいろ2
《囀の耳に残るや夜中でも》
「夜中でも」が散文的なので、例えば「夜のしじま」または「真夜の黙」にすることもできる。
《青き踏む古希には古希の若さかな》
選者の会の参加者からの評価が高かった。
《囀りにつられ窓辺の指定席》
「つられ」が説明的に思える。例えば「指定席としたる窓辺や囀れり」。
《囀りや今朝の厨の窓揺らす》
問題は「窓揺らす」。使役が過剰な表現になっており、例えば「窓揺るる」と自動詞に変更すれば柔らかになる。
《コンクリの川底透ける残り鴨》
何か面白い。実景なのだろう。でも何が面白いのか、焦点を絞りたい。「残り鴨」の正しい季語は「残る鴨」。例えば「川底を歩みてのぼる残る鴨」。
《川沿ひを自転車を降り探す春》
「を」が二つ続いていて整理が必要。上五と中七の語順も変えたい。例えば「自転車を降り川沿ひに探す春」。
04月10日(月) 09時27分01秒 箱男 3月選者の会の評のいろいろ1
《アイゼンのすんでのところ蕗の薹》
蕗の薹を発見した驚きと踏んでしまいそうな驚きが重なり強いインパクトがある。ただし、アイゼンを使うような氷雪原に蕗の薹が出るのかという点に疑問が出る。実際はあるのかも知れないが、もう少し受け入れられやすい道具に変えてはどうだろうという。
(作者が選者の会に参加していたため背景を伺った。これは実景であったという。)
《鮠の子ら跳ね返りては天近し》
「鮠の子」では季節がはっきりしないので「柳鮠」の季語を使ってはどうか。「天近し」を少し弱めたい。例えば「柳鮠跳ね返りては天近く」
《まばたきにまたたき返す春の星》
「またたき返す」を連体形として捉えるか、終止形として捉えるかの違いで鑑賞が変わる。終止形なら、カップルがいて、春の星が背景となる。そんな鑑賞もできる。
《救はれし命ぞと悔ゆ春の川》
文法的には係助詞「ぞ」がある場合文末は連体形で終わるのが原則。そのため「悔ゆる」となる。「悔ゆ」まで言う必要はないという意見もあった。意味の明確化も考え、例えば「救はれし筈の命や春の川」。
(作者が選者の会に参加していたため背景を伺った。東日本大震災で被災した石巻の大川小学校を訪れての感慨ということだった。)
04月09日(日) 19時26分29秒 箱男 3月選者の兼題句
荒井理沙
音域の互い違ひに囀れり
獺祭や時に川波さかのぼる
芦野信司
囀りや朝日が滲む雨の粒
川風や菜の花の野は夕暮れ
04月09日(日) 19時24分27秒 箱男 3月入選句 選者のコメント 芦野信司
芦野信司選
特選
《さへづりや携ふる笛吹かぬまま》
否定形は強い表現力を持つ。笛の音がない世界。しかし否定された笛の音は全く消えたわけではない。笛を携えた作者の周りには小鳥のさえずりが満ちているが、その奥から響く音はどこか笛の音に似ていないだろうか。
秀逸
《囀の張り合ふ木の葉隠れかな》
鳥たちの活発な動きが見事に写生されている。「木の葉隠れ」の措辞がいい。見えている鳥と隠れてしまった鳥の両方が描写されている。
《鶯や古民家カフェの奥の席》
鶯の声が美しく聞こえる特等席なのだろう。鶯が鳴いている木立の奥行きや、緑の茂りも想像させる。
《さえずりに耳澄ます朝ソロキャンプ》
上五中七が清々しい。しかしそのままでは凡庸になりそうだったが、「ソロキャンプ」で風景が広がった。
《救はれし命ぞと悔ゆ春の川》
春の川の季語ののんびりとした風合いと全く違う上五中七の取り合わせ。本来はアンマッチだが、どうしても看過出来ないのが「悔ゆ」の二文字。作者は、春の川に命に関わる個人的な思い出があるのだろう。それを思えば、春の川の別の側面が見えてくる。
04月09日(日) 19時22分35秒 箱男 3月入選句 選者のコメント 荒井理沙
荒井理沙選
特選
《囀の張り合ふ木の葉隠れかな》
美声を競う合戦が繰り広げられる。時には力強い動きにより、樹冠を膨らませたり、小枝が揺れたり、姿が見え隠れしたりで読む人の空想も膨らむ。詩の体裁と調子の良さが感じられる一句である。
秀逸
《野遊びや黄色い帽子わつと散る》
中七までは何の変哲の無い句である。が、下五により、いきなり躍動する子等の肢体を思う。正に落ちを取った句と言えよう。
《鶯や古民家カフェの奥の席》
場所の設定を俳句にすると成功率は低くなり勝ちであるが、この場合スッキリと下五に収まり安定感がある。季語と古民家の取り合わせも、なかなか味がある。
《アイゼンのすんでのところ蕗の薹》
一読して作者は心根の優しい人。句としても出来が良い。季重ねが気になる所だが、アイゼンだから「すんでのところ」の意が強まっていると思える。読む人も、思わずアイゼンの尖った爪を想像してしまうのである。
《さえずりや『沈黙の春』再読す》
読んで一旦、通り過ぎようとしてしまったが、袖を引かれる思いに足を止めた。『沈黙の春』により、この句は深読みすべきではないかと思ったからだ。おのおの方の感じ方を知りたいとも思う。
04月09日(日) 19時17分39秒 箱男 3月入選句
3月度の入選、おめでとうございます。
04月01日(土) 23時24分30秒 箱の居候 投票箱へのご案内
投句箱が締まって、投票箱が設置されました。
今回の兼題は「囀(さえずり・さへづり)」と「川」です。計42句が投句されました。先ずは、下段の投句一覧をご覧くださいませ。
お気に入りの句、よいと思われました句を見つけられましたら、投票をお願い致します。
このすぐ下のURLをクリックされますと、投票箱が出てまいります。まず、投票箱投句一覧の□にチェックを入れていただきます。投句下段にあります【投票送信する】をプッシュすることで、投票完了です。選句はお一人3句までです。
尚、投票期間は4月1日(土)-6日(木)までです。
http://hamabun.x0.com/kukai-senku/
04月01日(土) 14時56分21秒 箱の住人 3月投句一覧
お待たせしました。3月は42句の投句をいただきました。ありがとうございました。
2023年3月兼題「さえずり さへづり」「川」 一覧表 その1
① アイゼンのすんでのところ蕗の薹
② 鮠の子ら跳ね返りては天近し
③ まばたきにまたたき返す春の星
④ 救はれし命ぞと悔ゆ春の川
⑤ 囀の耳に残るや夜中でも
⑥ 川魚貰って嬉しい春の舞
⑦ 桜咲き大きな行事が目白押し
⑧ 老いの身も浮かるる春のシヨウタイム
⑨ 川面ゆく蒲公英の絮メッセージ
⑩ さへづりの山懐やいのち呼ぶ
⑪ さえずりに耳澄ます朝ソロキャンプ
⑫ さえずりや『沈黙の春』再読す
⑬ 作家消ゆ戦後精神問ひ続け
⑭ 野遊びや黄色い帽子わつと散る
⑮ 春の灯をあつめて川面あわ淡と
⑯ 春の炉を離れがたきや影法師
⑰ さへづりや携ふる笛吹かぬまま
⑱ 青き踏む古希には古希の若さかな
⑲ 囀の張り合ふ木の葉隠れかな
⑳ 落椿光る川面をしつらへり
㉑ 彼方此方と囀り賑わふ散歩道
㉒ 河川敷凧の空へと風吹けり
㉓ うき世にて桜便りと片や武器
㉔ 囀りにつられ窓辺の指定席
04月01日(土) 14時51分35秒 箱の住人 3月投句一覧
2023年3月の投句一覧 その2
㉕ ベランダでさへずり聞こゆと吾に告ぐ
㉖ 向かい追い春風受くる川の道
㉗ 暴れ川菜の花まといしずしずと
㉘ 川面の円石抛る子にうぐいす鳴く
㉙ 同じ路桜吹雪に酔いしれり
㉚ 病床の窓に囀り薬飲む
㉛ 母逝いて和解の前の雪解川
㉜ 囀や今朝の厨の窓揺らす
㉝ 囀りに遠く一羽の鴉かな
㉞ コンクリの川底透ける残り鴨
㉟ たんぽぽを踏まないやうに川堤
㊱ 川沿ひを自転車を降り探す春
㊲ 角部屋に囀り来たる主何処
㊳ 川面ゆくしづ心なき花筏
㊴ 金メダル浮かれ意気込み骨折す
㊵ 鶯や古民家カフェの奥の席
㊶ 三日月湖触れて慰む猫柳
㊷ 独り愛づる小学校の夜桜よ
04月01日(土) 00時07分54秒 箱の住人 兼題
投句箱の蓋が締まりました。
3月も投句をありがとうございました。
投句一覧は後ほど掲示板に載せます。
03月31日(金) 23時35分57秒 浜防風 自由句
三日月湖触れて慰む猫柳
独り愛づる小学校の夜桜よ
03月31日(金) 23時01分10秒 浜防風 自由句
鶯や古民家カフェの奥の席
03月29日(水) 22時53分45秒 糸杉 兼題 自由題
角部屋に囀り来たる主何処
川面ゆくしづ心なき花筏
金メダル浮かれ意気込み骨折す
03月28日(火) 16時46分03秒 すみか 囀
囀や今朝の厨の窓揺らす
囀りに遠く一羽の鴉かな
コンクリの川底透ける残り鴨
たんぽぽを踏まないやうに川堤
川沿ひを自転車を降り探す春
03月26日(日) 15時06分13秒 浜防風 兼題
病床の窓に囀り薬飲む
母逝いて和解の前の雪解川
03月23日(木) 19時19分31秒 干し芋 兼題 自由題
川面の円石抛る子にうぐいす鳴く
同じ路桜吹雪に酔いしれり
03月23日(木) 16時42分48秒 静御飯 兼題
向かい追い春風受くる川の道
暴れ川菜の花まといしずしずと
03月23日(木) 16時38分28秒 糸杉 兼題
囀りにつられ窓辺の指定席
ベランダでさへずり聞こゆと吾に告ぐ
03月22日(水) 22時09分10秒 干し芋 兼題 自由題
彼方此方と囀り賑わふ散歩道
河川敷凧の空へと風吹けり
うき世にて桜便りと片や武器