ハマブン句会 投句箱

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02月10日(金) 08時26分04秒    箱男    惜しい句と添削・選者の句

惜しい句と添削
《来し方はセピアとなせり寒灯下》
「なせり」は使役の他動詞なので目的語が必要なため、「来し方は」を「来し方を」に変える。または、「来し方は」のままなら「なせり」を自動詞化して「なれり」、「なりて」に変える。そのような整理が必要。
《今昔の佳き日を偲ぶ寒卵》
「佳き日」と「寒卵」の関係に作者独自の思い出があるようでわかりにくい。昔、結婚式で子作りに励めと寒卵を贈られたのだろうか。もしそうなら、今は昔、セクハラの感がちょっとする。
《福引や嬉し恥づかしハンドベル》
ハンドベルの着眼は面白いが、「嬉し恥づかし」は表現したい感情でそのものであり、説明になってしまっている。例えば「福引の過ぎたる福やハンドベル」。
《直筆の賀状一枚宝物》
前句と同じく表現したいことの説明は避けたい。ここでは「宝物」がそれ。例えば「先生の直筆清(すが)し年賀状」。
《朝まだきジム煌々と冬の月》
「朝まだき」は名詞なので「ジム」を形容するには無理がある。「早朝の」に替えてはどうだろう。

【選者兼題句】
荒井理沙
 この道は真つ直ぐのはず雪月夜     
 いくばくの我が盛衰や寒卵     

芦野信司
    寒卵命一つをいただけり
   素直なる心で


02月10日(金) 08時23分50秒    箱男    入選句 選者のコメント 芦野

芦野信司選
特選
《初漁の荷の高々と直売所》
初漁のめでたさを中七で表現。「直」の字の兼題を納得感ある「直売所」でクリアー。共に巧みだと思う。作者は、荷が高々と積まれた直売所の静的映像を選択されたが、「荷の」を「荷を」に変え、荷が積まれる動的映像としても良さそうだ。作者は迷われたものと思う。

秀逸
《とうちやんのどんぶり飯や寒卵》
卵かけご飯の句。おそらく肉体労働者であろう父ちゃんへの愛情と生活感が季語の寒卵だけできっちり表現されている。
《野良猫の皿に落とせし寒卵》
作者の野良猫に対するあわれみの情が表現された句。選者の会では「落とせし」が文法的には誤りで「落としし」に訂正すべきとの指摘があった。なお、同じ間違いは「残す」の場合にも起きやすく「残せし」ではなく「残しし」。記憶しておきたいところだ。

並選
《ヘルパーに貰う賽銭小正月》
「貰う」という言葉遣いなので現代仮名遣いの句。現代世相を的確に掬い取った句なので仮名遣いの選択も美しいと思う。初詣が参詣客の少なくなった小正月であることで、介助を受ける「私」の姿がありありと浮かぶ。季語・小正月の使い方が巧み。
《牝鶏の形見にならむ寒卵》
寒卵が、体力の衰えた牝鳥の方を表現するという着眼点が面白い。考えてみれば「寒」も「卵」も牝鳥の身には厳しいだろう。

02月10日(金) 08時20分56秒    箱男    入選句 選者のコメント 荒井

荒井理沙選
特選
¬《二十年生き抜く手術寒卵》
寒卵は思いを託して句にしやすい季語だと思う。医者からこの手術を受ければ二十年生きますよと言われたものか その願望か。寒卵に思いを寄せたのだろうか。

秀逸 
《木戸口に覚え声して寒卵》
木戸口からだと お隣さんの声なのか にこにことその手には寒卵が。ほのぼのとした御近所付き合いって良いものですね~。
《寒卵たましひ色に透けにけり》
まだ温もりのある卵を日に透かしたのか。ザラザラとした質感の皮の中から見える生命感みなぎる卵黄をたましひ色との表現は天晴れである。

並選
《奪い合ふちよつと大きな寒卵》
終戦直後の自分と重ねてしまった。ほんの僅かな大きさの違いでの奪い合いが 飽食の現在でもあるのか 俳諧味のある一句である。
《とうちやんのどんぶり飯や寒卵》
どんぶり飯だと卵一個では足りなかろう。もう一個落としいれたのかも。とうちやんの豪快な笑顔が浮かぶ。幸せだなぁ。

02月10日(金) 07時58分47秒    箱男    12月・1月の入選句

おめでとうございます。力作をありがとうございました。

02月02日(木) 12時25分21秒    箱の住人    投句の御礼

皆様年末年始のお忙しい中、55句の投句ありがとうございました。

02月02日(木) 12時17分54秒    箱の住人    R4年12月、R5年1月 兼題「寒卵」「直」一覧表 その1

お待たせいたしました。

① 窓越しに眺む日直雪合戦  
② 古本の身受け急ぐや年の暮れ  
③ 木戸口に覚え声して寒卵  
④ 短日の恵み浮かべて今日の風呂  
⑤ 仕舞湯や七千回の除夜の鐘  
⑥ 冬の陽よ直下もひとつ輝けり  
⑦ 雪明りかさじぞう読むもう寝息  
⑧ 薄明にとけて消へゆく冬銀河  
⑨ 臘梅の一片に染む星明り  
⑩ 寒卵ラッシュアワーで席を立ち  
⑪ 七草の朝の光に背を押され  
⑫ たそがれて冬の緑の陰影冥し  
⑬ 寒卵遠き都は夜の街  
⑭ 時が経ちお色直しは冬の夢  
⑮ 海沿いで釣りを楽しむ前夜祭  
⑯ 朝まだき温ぬく温と寒卵  
⑰ 母が味仕立てて妻の雑煮かな  
⑱ 遠き山今日は近くに冬景色  
⑲ 雪女アイルランドの里想ふ 
⑳ 初漁の荷の高々と直売所  
㉑ 来し方はセピアとなせり寒灯下  
㉒ 今昔の佳き日を偲ぶ寒卵  
㉓ 浅き春直ぐには言へず寄り道し  
㉔ また来るね胸の懐炉の暖かさ  


02月02日(木) 12時14分20秒    箱の住人    12月、1月の投句一覧 その2

㉕ 寒卵カラザ繫げし小宇宙  
㉖ 寒卵椀の宇宙を掻き混ぜる  
㉗ 狛鯉や出迎えに立つ初詣  
㉘ 寒卵たましひ色に透けにけり  
㉙ エプロンにひしと二つの寒卵 
㉚ 三学期までのマニキュアお年玉  
㉛ 福引や嬉し恥づかしハンドベル  
㉜ 寒卵ドリンク剤のなかりせば  
㉝ 奪ひ合ふちょっと大きな寒卵  
㉞ 初御空けさも愚直に八千歩  
㉟ とうちゃんのどんぶり飯や寒卵  
㊱ ヘルパーに貰う賽銭小正月  
㊲ ポトフ鍋に褞袍着せ孫三昧  
㊳ 脳手術予定日記す寒卵  
㊴ 何事ぞくるりとにゃんこ去年今年  
㊵ ゆきゆきて身動きとれぬ鯨かな  
㊶ 厚氷魚が泳ぐ水の底 
㊷ 寒卵ロッキーの如く飲み干せり  
㊸ 冬麗直下に望む弁天橋  
㊹ いそいそと女四人の小正月  
㊺ 野良猫の皿に落とせし寒卵  
㊻ 直筆の賀状一枚宝物  
㊼ 夢半ば髪撫で解かし寒卵  
㊽ 二十年生き抜く手術寒卵 


02月02日(木) 12時11分49秒    箱の住人    12月、1月の投句一覧 その3



㊾ 内科医の玄関蝋梅に満ちて  
㊿ 朝まだきジム煌々と冬の月  
51福豆や金平糖の混じりたる  
52読初や冷や水なれど「背筋伸ぶ」  
53牝鶏の形見にならむ寒卵  
54直線距離スマホ画面とオリオン座 
55愚直道笑われ進み枯野人 


02月01日(水) 00時04分28秒    箱の住人    無題

投句箱の蓋が締まりました。
今回は12月と1月の二カ月分でした。
沢山の投句をありがとうございました。

投句一覧は後ほど掲示板に載せます。


01月31日(火) 23時55分48秒    浜防風    兼題「直」

直線距離スマホ画面とオリオン座
愚直道笑われ進み枯野人

01月31日(火) 23時52分43秒    浜防風    兼題「寒卵」

牝鶏の形見にならむ寒卵

01月30日(月) 15時46分21秒    垂鉛    雑詠

読初や冷や水なれど「背筋伸ぶ」

01月30日(月) 14時41分43秒    ベビーサスケ    寒卵

二十年生き抜く手術寒卵
内科医の玄関蝋梅に満ちて
朝まだきジム煌々と冬の月
福豆や金平糖の混じりたる


01月30日(月) 11時15分59秒    山彦    兼題

夢半ば髪撫で解かし寒卵

01月29日(日) 16時11分21秒    つらら    兼題2句

野良猫の皿に落とせし寒卵

直筆の賀状一枚宝物

01月29日(日) 02時03分31秒    アオセトナ    兼題 自由題

寒卵ロッキーの如く飲み干せり
冬麗直下に望む弁天橋
いそいそと女四人の小正月

01月28日(土) 22時20分09秒    山彦    自由題

厚氷魚が泳ぐ水の底

01月28日(土) 09時40分04秒    垂鉛    雑詠

ゆきゆきて身動きとれぬ鯨かな

01月26日(木) 13時14分10秒    静御飯    自由

何事ぞくるりとにゃんこ去年今年

01月24日(火) 17時51分50秒    ベビーサスケ    初春

とうちゃんのどんぶり飯や寒卵
ヘルパーに貰う賽銭小正月
ポトフ鍋に褞袍着せ孫三昧
脳手術予定日記す寒卵

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