投句数はひとり5句まで
兼題俳句をひとつずつ入れてください
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09月26日(月) 18時37分14秒 箱の番人 2021年12月2022年1月の投句一覧 その2[前のページ] [次のページ]
兼題 春隣
①春隣旬の天ぷらほろ苦し 粋果
②窓際に溜まる陽温い春隣 粋果
③メバル竿しかと手入れを春隣 局名録
④猫は目の虹彩閉じて春隣 局名録
⑤白き山稜線ゆるむ春隣り 月見中福
⑥春隣遠浅の海の夢をみる 粋果
⑦春隣去りし温もりふと思う 粋果
⑧ダージリン啜る朝の日春隣 めがね
⑨梢にてイカル啼きおり春隣 鶫
⑩ラーメンは端麗スープ春隣 鶫
⑪水中を覗く子ありて春隣 芋の子
⑫接待の聖地巡礼春隣 素頓狂
⑬蛭ヶ岳僅かに白し春隣 ねんころりん
⑭病窓に日のやはらかく春隣 咲木かおる
⑮菜を切りし二人の娘に春隣 咲木かおる
09月26日(月) 18時35分54秒 箱の番人 2021年12月2022年1月の投句一覧その1
兼題 手 (指)
①指切りを繋いだままに除夜の鐘 夢見る乙女
②悴む手真空管の温もりに 局名録
③小さき手風呂洗いおり大晦日 鶫
④爪欠けた指先摘まむ塩銀杏 粋果
⑤手の甲に老いを見出す空っ風 粋果
⑥爪先に淡色塗りたし春隣 粋果
⑦炉明かりに五指組み直す影絵かな 夢見る乙女
⑧言葉より手振りの多きマスクかな 夢見る乙女
⑨剃刀の持つ手震える虎落笛 月見中福
⑩君の手に触れた凍夜が薄れゆく 粋果
⑪焼き芋の熱さも愛し冷えた指 粋果
⑫あと数ミリ触れえぬ指先冬の海 粋果
⑬歌留多取る手は速やかにあらぬ方 夢見る乙女
⑭手を延べてワルツを踊る初稽古 めがね
⑮元朝の日の出合掌地球から めがね
⑯霜焼の吾の手包みし母の手や 芋の子
⑰指差しに安心安全去年今年 素頓狂
⑱新札の手の切れさうな老の春 ねんころりん
⑲シリウスを指さす人の息白し 荒智十三
⑳搾乳の手のやはらかに春隣 荒智十三
㉑ブロックを握りて這い這いしてをりぬ 咲木かおる
㉒放課後のストーブに手をかざし見る 咲木かおる
09月26日(月) 16時19分31秒 箱の番人 2021年11月入賞句 選者のコメント
星 選
【特選】
太鼓橋飴を引きずる七五三
中七「飴を引きずる」七五三では有りがちですが、太鼓橋の丸みが飴を引きずらせていることが新鮮に思いました。太鼓橋の朱色、晴れ着の華やかさがあり美しい句です。
【秀逸】
来し方のあれこれ解す古セーター
毛糸をほぐしている時は、たわいもないことを考えながらの同じ動作です。
「あれこれ」が曖昧にもとれますが、過ぎ去ってみるとこだわりが薄まり「あれこれ」に表現されるのでは?と解釈しました。
「来し方」を解す一本の毛糸は、今に繫がっているのですね。
虎落笛ひと吹き風の又三郎
虎落笛(もがりぶえ)とは寒く風の強い日に、立ち木や家、電線、様々なモノに激しい風があたってヒューヒューと笛のような 音を立てること。不思議くん又三郎のいたずらでしょうか。下五の風の又三郎が効いています。
【並選】
太棹の発車メロディ雪模様
この句は仙台の駅ですか? 太棹は細棹、中棹に比べて棹が太く胴も大きい三味線のこと。東北の冬の厳しさとともに、上京へのエール、身の引き締まる思いが太棹の発車メロディから伝わってきます。いい句ですね。
連山の遥かに白し大根干す
遥か連山の雪景色。そして大根の白。自然の雄大さと日常の営みを詠んでいる。
味わい深い句ですね。
09月26日(月) 16時18分11秒 箱の番人 2021年11月入賞句 折山コメント続き
【並選】
冬菫飛行機雲を眺めをり
さらっと素直に詠まれています。景に共感します。「眺めをり」の主語は作者とも擬人法で冬菫ともとれます。どちらでも句として成り立ちますが、やはり作者でしょうか。
太鼓橋飴を引きずる七五三
だれでも微笑ましく感じる光景です。ただそれだけに例句がありそうな気もします。しかし、この句会では初心の方もかなりおられ、ご自分の感じたままを句にされて、それが例句のあるものでも良くできていればいいのではないかと思いました。これまでも似たような句は出ていますよという事は勉強してほしいと思います。
山眠る水音清きかずら橋
並選は2句という原則からすると外れるのですが、景の捉え方が良いので追加しました。山眠るという静かな感じと清らかな水音の感じがよくマッチしていると思いました。
あえて細かいことを言えば、「清き」と文語を遣っているので、「かずら橋」は「かづら橋」と歴史的仮名遣いにしてほしい。
09月26日(月) 16時15分48秒 箱の番人 2021年11月の入賞句 選者のコメント
折山 選
【特選】
連山の遥かに白し大根干す
連山の白さと大根の白さが調和して、景を一層引き立たせている。
「遥かに」がうまくはまり、「白し」と切れを入れて引き締まった句になっている。
【秀逸】
太棹の発車メロディ雪模様
太竿三味線の音色が発車メロディになっているなんて、東北地方の駅でしょうか。その意外性が新鮮でした。語句の構成もいいですね。雪模様でいくつかの演歌が頭をよぎりました。
冬日和嫁ぐ子残す柱きず
嫁がせる親の気持ちがよく出ていると思います。季語冬日和が利いています。嫁いだ後も柱の傷を見るたびに子供のころの娘を思い出すことでしょう。情緒に流されず、冬日和で切っているところもいいと思いました。
09月26日(月) 16時13分11秒 箱の番人 2021年11月の投句一覧 その3
流氷の橋を渡りてアザラシ来 荒智十三
南下する冬将軍の白き道 荒智十三
冬の雷ダッタン海峡渡り来る 荒智十三
暖炉の火針刺す母と長き夜 荒智十三
積む除雪スロープとなり橇遊び 荒智十三
セーターを編む母白き夜の窓 咲木かおる
遠吠えは海から来たる吹雪なり 咲木かおる
山々は白くなりゆきねむる街 咲木かおる
昭和生き抜きし目詰まりのセーター あさひとしずく
太棹の発車メロディ雪模様 あさひとしずく
しぐるるやお岩木の裾消え失せて あさひとしずく
連山の遥かに白し大根干す あさひとしずく
幼な児も老いも蹴散らす銀杏かな あさひとしずく
吐息つく場所のひとつは冬の橋 虚村
09月26日(月) 16時12分02秒 箱の番人 2021年11月の投句一覧 その2
橋越さば春待つ浄土称名寺 留石
山茶花や根元は赤き花の茣蓙 岐路
公園はたき火厳禁世は令和 岐路
山眠る水音清きかずら橋 鳰
毛糸編む編むひとときの安らけき 鳰
古セーター被れば父の顔に似て 有耶無耶
しぐるるや欄干ぎりぎり路線バス 有耶無耶
十夜栗ふるさと次第に遠くなる 有耶無耶
鉢巻のきりきりしやんと御酉様 有耶無耶
限無しに箸の寄り来る大根葉 有耶無耶
また着たる古きセーター娘笑む 紅燕
舟だまり顔は水面へ鴨の列 石燈
セーターに包まれるよな恋ありき 外猫
毛糸編む恋の重さの厭わしさ 粋果
セーターを解く(ほどく)を知らぬ世代かな 粋果
歩道橋手を振る君に時雨虹 粋果
太鼓橋飴を引きずる七五三 粋果
夜を寒み二度と戻らぬ橋渡る 粋果
09月26日(月) 16時10分37秒 箱の番人 2021年11月の投句一覧 その1
冬鴎橋の上にて風を待つ ちび丸
セーターの虫食い穴よ灯の漏れて 又五郎
丸橋の確かな一歩虎落笛 又五郎
虎落笛ひと吹き風の又三郎 又五郎
来し方のあれこれ解す古セーター 又五郎のさい
まなうらの誰彼に選る毛糸玉 又五郎のさい
セーターの編み目の奥に誰の髪 鶫
凍蝶や終ひの恋に羽透かす 又五郎のさい
冬日和嫁ぐ子残す柱きず 又五郎のさい
万華鏡取り合う姉妹冬夕焼 又五郎のさい
冬夕焼釣糸磯の香釣りあぐる 又五郎
冬怒涛礁に潜む主跳ねる 又五郎
母編んだセーター着たし繕ふ夜 めがね
枯れ芒鳥井戸橋の左富士 めがね
冬菫飛行機雲を眺めをり めがね
師は黄泉へ笑顔が遺る神の旅 めがね
小春日や釦はづして街路ゆく めがね
セーターの模様にちらり白き肌 月見中福
凍星や合鍵放る橋の上 月見中福
街路樹の梢微動に冬の月 月見中福
冬囲い父より目で習いけり 月見中福
オリオンよ自己アピールはそこまでに 月見中福
09月26日(月) 16時08分41秒 箱の番人 2021年10月入賞句選者のコメント 続き
荒井選
並選
日なたぼこうとうと背凭れ軋ませり
日溜まりの心地
良さが夢心地に。次第に船を漕ぐ体制にとなり 夢うつつに椅子の背が微かにきしむ…zzz……。
行く秋や篠の音色を手向けたり
作者が知れた時 弔問に同行した折の句と納得。破顔の遺影に作者は篠笛を手向けられた。土佐ご出身の亡き人に《よさこい節》を選曲された。これまで気丈に過ごされて来た奥方が 初めての涙を流されたのである。
子は帰る冬夕焼けの只中に
冬の夕焼けとなると気温が低いせいか暖色の濃さを より強く感じるものである。その逆光の中ではあるが 子供の笑顔が浮かんで来る。
やはやはと猫の寄り来る時雨かな
暖を求めて猫が甘えて来た。「やはやはと」の語に 季語の存在感がくっきりとして来る。
踏みしだく落葉重なる小径かな
V字谷であろうか 落葉は深く層を成していると想像する。音と足の裏の感触を覚える。そこで 老婆心ながら警告をする。この様な小径は滑り安く 小岩が落ち葉に埋もれているのだ。転倒に注意をば。
09月26日(月) 16時07分07秒 箱の番人 2021年10月の入賞句 選者のコメント
選者 荒井理沙
特選
実柘榴の凛と光を欲しいまま
柘榴と言うと鬼子母神を思い起こす。笑み柘榴のピリッと引き締まった一粒一粒が光を放っている。この魅力に鬼子母神は 人の子を食する事を止め柘榴の虜になった理由の一つかも……。
秀逸
秋気澄む蕎麦屋の木椅子艶めけり
老舗の蕎麦屋なのであろう。使い古されて手入れの良い椅子が季語により 一層の艶やかさを醸し出していると言えよう。
一献に添ふ手しなやか初時雨
選者は酒類を一口も頂けない質であるが 呑兵衛さんであろう作者の意が良~く解る。なぜならフレーズに対しての季語「初時雨」が何とも言えない効力を成しているからである。
09月26日(月) 16時05分55秒 箱の番人 2021年10月入賞句 選者のコメント
選者 芦野信司
特選
小春日や子を忘れつつ母の老い
老いと小春日の取り合わせはよくあるが、「つつ」の時間経過が味わい深い。お母様が子の作者の忘れていく時間と、お母様に心地よくさす小春日の時間の対比が「つつ」で表現されている。
秀逸
断崖に背を向けている雪の椅子
「向けている」の部分は不要で、「断崖を背に」と「雪の椅子」で描写は終わっている。残り五文字があれば色々な情報を盛り込むことができるだろう。それでも秀逸としたのは、兼題写真からの発想の距離感が痛快だから。
晩秋の陽に少女らのけんけんぱ
「陽」は「日」を使うのが俳句での約束。何故かまで解説できない知識不足は許していただきたいが、我流では漢字の成り立ちに遡るのだろうと思っている。ともあれ、この句には映像がある。作者は写真を撮られる方なのだろうか。元気な少女らの動きの一瞬が捉えられている。写真の良さと写生句の良さはとても似ている。
並選
やはやはと猫の寄り来る時雨かな
時雨どきの人恋しさは猫も一緒。
秋蝶や店から消えし人気パン
「秋蝶=消えた人気パン」の構成で、秋蝶の美しさといずれ消える運命を都市生活の中に表現した面白さがある。
耳元の内緒話や七五三
可愛いワンショット。「耳元」でクローズアップしている。類想は多いとは思うが。
09月26日(月) 16時04分01秒 箱の番人 2021年10月の投句一覧その4
⑱庭の柿部屋から主人鴉番 めがね
⑲小鳥鳴く硝子戸見れば雨晴れて めがね
⑳手鏡に紅ほのと笑む夜夜の月 俳句の戦士
㉑居酒屋へ腰を浮かせり神の留守 俳句の戦士
㉒木菟鳴くややうやう温む床の中 俳句の戦士
㉓小春日や部屋から出たら何だつけ 俳句の戦士
㉔粲粲と函嶺はるか秋気澄む 俳句の戦士
㉕リンゴパイ少女のごとく食みにけり 咲木かおる
㉖そぞろ寒話すやうなる葉擦れ音 湧水
㉗秋蝶や店から消えし人気パン 岩峰
㉘閻魔見ゆ地震の団地の秋の夜 鉄鎖
㉙稜線の近づいてくる時雨かな 荒智十三
㉚晩秋の陽に少女らのけんけんぱ 荒智十三
㉛産土の種有柿の届きけり ういらぶうい
㉜耳元の内緒話や七五三 ういらぶうい
㉝身元引受人となる銀杏散る ういらぶうい
㉞真暗闇八雲聞きしか草雲雀 ういらぶうい
09月26日(月) 16時03分14秒 箱の番人 2021年10月の投句一覧 その3
自由題
①子は帰る冬夕焼けの只中に モンチッチ
②やはやはと猫の寄り来る時雨かな モンチッチ
③晩鐘に子はちりぢりと冬の浜 モンチッチ
④車窓より色なき風の行方かな モンチッチ
⑤また一つ洋梨落つる裏の庭 月見中福
⑥ナナカマド心も紅く実も赤く 月見中福
⑦鬼胡桃強炭酸で飲み下す 月見中福
⑧朝霧やはめ殺し窓は境界線 月見中福
⑨彼は誰よ大きマスクに会釈して 天邪鬼
⑩秋惜しむ太鼓篠笛鎮もれり 天邪鬼
⑪一献に添ふ手しなやか初時雨 天邪鬼
⑫小春日や子を忘れつつ母の老い 穂高の天使
⑬深秋の穂高へ一歩古希の夢 穂高の天使
⑭実柘榴の凜と光を欲しいまま 穂高の天使
⑮踏みしだく落ち葉重なる小径かな 穂高の天使
⑯稲妻よ介護に疎む我を打て 穂高の天使
⑰媼笑む秋明菊を咲かせをり めがね
09月26日(月) 16時01分27秒 箱の番人 2021年10月の投句一覧
兼題 行く秋
①行く秋やモーツァルトの友となる ちび丸
②行く秋の山端の落暉見入るかな めがね
③行く秋や篠の音色を手向けたり 落石
④行く秋を追わず一人の旅路かな 粋果
⑤行く秋の寂しさ紛らす収穫祭 粋果
⑥行く秋や議論もなしに核のゴミ 荒智十三
⑦行く秋やバス待つ老人列をなす 荒智十三
⑧行く秋や二人連れして投票所 ういらぶうい
⑨行く秋や戻り舟行くべた凪を 明日葉
09月26日(月) 16時00分19秒 箱の番人 2021年10月の投句箱
兼題 椅子
①庭隅の陽だまりの椅子鶲くる 鶫
②日なたぼこうとうとと背凭れ軋ませり モンチッチ
③空っぽの車椅子ダリア一輪 月見中福
④秋気澄む蕎麦屋の木椅子艶めけり 天邪鬼
⑤停車場の木椅子ぽつんと秋行けり 天邪鬼
⑥秋薔薇ピアノを弾くや古き椅子 めがね
⑦病廊にかけるひとなき冬の椅子 咲木かおる
⑧をさな児の遊ぶベンチや小鳥来る 落石
⑨椅子の背に膝掛け用意し湯を沸かす 粋果
⑩椅子に乗りそれでも届かぬ先に柿 粋果
⑪バス停のベンチにぽつりと青蜜柑 粋果
⑫断崖に背を向けている雪の椅子 荒智十三
⑬離れたる椅子にて夫婦走り蕎麦 明日葉
09月26日(月) 15時59分05秒 箱の番人 2021年9月入賞句 選者のコメント
星 選
特選
柔肌に浮かぶ爪痕二日月
柔肌に二日月の季語の使い方が上手ですね。爪との取り合わせが良いと思います。艶っぽくて素敵な句です ね。
秀逸
稗搗きや唄に伝ふる哀し恋
那須大五郎と鶴富姫の物語と知りました。宮崎県の民謡。宴席歌として広まったそう。 秋は哀しい恋が似 合いますね。
穂すすきの揺るる重さを生けにけり
重さを生けるという表現と、けりで言い切っているのが良いと思います。
並選
鈍色の海原はるか鳥わたる
遥かに海原、群れをなす渡り鳥。自然の雄大さが伝わってきます。
道草のわんぱく小僧曼珠沙華
わんぱく小僧と曼珠沙華の取合せが面白いと思いました。曼珠沙華の赤色がわんぱく小僧に負けていませんね。
09月26日(月) 15時57分59秒 箱の番人 2021年入賞句 選者のコメント
折山選
特選
「ただいま」の夫のリュックにススキ立つ
臨場感あふれ且つ新鮮。つまを亭主として「に」を取り、ススキもすすきとひらがなにすれば尚良い。
「ただいま」の亭主のリュックすすき立つ
秀逸
海の風番屋のすすきゆれやまず
手練れの情感。心に沁みる。
他の選者から「風とゆれがダブるので、「石狩の」などと上の句に地名を持ってきても良いのでは?」とい う意見があった。
道草のわんぱく小僧曼殊沙華
曼殊沙華が動くかもしれないが微笑ましく句の姿もいい。
並選
潮鳴りや色なき風の渡りくる
秋になると潮鳴りがする。それは夏の喧騒が去ったからかもしれない。
切れ字「や」を使っているので下五を連体形にした。文語をよくご存知。
木賊刈る住む人ひとりふたり減り
よくあるかも知れないが、地方の実感。
09月26日(月) 15時56分01秒 箱の番人 2021年9月の投句一覧 その3
㊲中秋に友と集いし松竹座 星籠
㊳コロナ前旅に明け暮れ蘭の秋 星籠
㊴稗搗きや唄に伝ふる哀し恋 谺
㊵塩まきてぽんぽんぽんと相撲取 谺
㊶背の吾子の耳触る癖秋の空 野鶲
㊷ふるさとの子らのみみたぶ秋の色 咲木かおる
㊸すすきのや人買ひがひとかいそびれ 荒智十三
㊹いちめんの野焼き青天の雲となる 荒智十三
㊺ウィンドウに映る秋天ピアスゆれ 荒智十三
㊻海の風番屋のすすきゆれやまず 荒智十三
㊼むれとんぼ羽音重ねて夕惜しむ 丹
㊽穂すすきの揺るる重さを生けにけり ういらぶうい
㊾耳もとでないしよないしよと秋の声 ういらぶうい
㊿皇室カレンダーいかに九月尽 ういらぶうい
51新蕎麦ぞ蘊蓄よそにつゆ浸し ういらぶうい
52秋高し売出し墓地の二人連れ ういらぶうい
53秋灯下読む猫の耳嬲りつつ 虚村
54白芒前も後ろも更地かな 虚村
55「ただいま」の夫のリュックにススキ立つ 野鶲
09月26日(月) 15時54分50秒 箱の番人 2021年9月の投句一覧 その2
⑲通い道掃き清めるは尾花かな 月見中福
⑳芒原ポニーテールが見え隠れ 月見中福
㉑満月の耳飾りアフリカの夜 月見中福
㉒道草のわんぱく小僧曼珠沙華 月見中福
㉓分かれ道君を隠せし薄原 粋果
㉔孫帰りススキのミミズク一人ぼち 粋果
㉕痛み経て耳朶にダイヤの露一つ 粋果
㉖焼きたての栗に触れ耳たぶに触れ 粋果
㉗柔肌に浮かぶ爪痕二日月 粋果
㉘曼珠沙華空家表札つけしまま 馬の骨
㉙江ノ電の窓はアングル秋の海 馬の骨
㉚潮鳴りや色なき風の渡り来る 馬の骨
㉛野分立ちふくらみへこむ帆布かな 馬の骨
㉜蛇笏忌や郷に居住まい正しゅうす 馬の骨
㉝耳珠光るフェルメールの絵宵の闇 虫泣
㉞穂芒や交互通行石落下 虫泣
㉟イヤリング眺めて過ごす降り月 星籠
㊱名月や各地の友と繫がれり 星籠
09月26日(月) 15時53分43秒 箱の番人 2021年9月の投句箱 その1
①耳たぶの熱きにふれて居待ち月 つぐみ
②かりがねや初冠雪の富士真青 むじな
③無花果の乳の粘つく指の先 むじな
④鈍色の海原はるか鳥渡る むじな
⑤鷹渡るビルの谷間の父の墓 むじな
⑥秋天の青へロビング斬り込めり むじな
⑦呼びかけに小首を傾ぐ蜥蜴かな 亭主関白
⑧トーチキスつなぐ炎や秋高し 亭主関白
⑨畑案山子はやり病の中に立つ 亭主関白
⑩木賊刈る住む人ひとりふたり減り 亭主関白
⑪墓残す不帰の古里虫の秋 亭主関白
⑫尾花ゆれ横ぎる猫の色黒き 明日葉
⑬棟梁のきらりピアスの秋夕焼 明日葉
⑭波打つや箱根路歩く芒原 めがね
⑮秋日和パンツに選ぶイヤリング めがね
⑯相ま見え話しに更ける良夜かな めがね
⑰バケツ中束ね売らるる鶏頭花 めがね
⑱敬老日敬の字見つめ吾を見つむ めがね