ハマブン句会 投句箱

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09月26日(月) 14時12分24秒    箱の番人    2021年4月投句一覧 その2

⑲深窓の鍵は朧に影法師         山姥
⑳永き日の看守数へる鍵の束       山姥
㉑新樹光詩の行間に何かある      山姥
㉒道化師の瞳一転揚げ雲雀       山姥
㉓新緑や鳥語かくかくしかじかと  腰抜け忍者
㉔土牢の声なき声や楠若葉     腰抜け忍者
㉕五月雨の大仏青をしたたらす   腰抜け忍者
㉖丘の上に続く轍や虎が雨     腰抜け忍者
㉗蚯蚓のび縮む轍の深さかな    腰抜け忍者
㉘音変へて風万緑の棚田へと    なんじゃもんじゃ    
㉙山窓の鍵放たるる立夏かな    なんじゃもんじゃ   
㉚新緑やオオルリの声谺して    ちび丸
㉛鍵ひとつ故里遠き麦の秋    ちび丸
㉜一頭の牛春蝶のふたつづれづれ     みのるんるん
㉝聞き取れぬ児の早口や緑さす      みのるんるん
㉞衣替へ箪笥の鍵の在り所          みのるんるん

09月26日(月) 14時11分06秒    箱の番人    2021年4月投句一覧 その1

①パスワード忘れしままに木の芽時          木瓜の花
②鍵穴の外は春雨しをり解く              木瓜の花
③水飛沫あげる水車や若楓             風野又三郎
④青空にのこるさざ波鳥帰る            風野又三郎
⑤まなうらに表紙の女春の闇            風野又三郎
⑥渋谷駅地下五階なり亀鳴きぬ           風野又三郎
⑦うららかやポケットの中の鍵踊る         ぱせり
⑧大空のキャンバス筆は柳の芽            ぱせり
⑨ひと気なきバーのウインドウ新樹光        ヘミング道
⑩キー預け悪友といる春の夜              ヘミング道
⑪水槽の底を這ふ鮫若葉寒             長洲とりお
⑫街薄暑ホテルのキイを胸に差し        長洲とりお
⑬新緑のテラス似合わぬ別れかな      粋果
⑭新緑の土手ひたすらに三輪車       粋果
⑮パス更新都度メモを見る新年度      粋果
⑯緑陰でクロスワードの贅沢さ    粋果
⑰青嵐壊せ自分を閉じる鍵      粋果
⑱閂の軋む重さや蟇の闇         山姥

09月26日(月) 14時09分08秒    箱の番人    2021年3月入賞句 選者のコメント

荒井選
特選句
穴出づる蛇や半身夢の中     雲霧四左衛門
蛇穴を出づる野面の黙の中     はんでめためたごっちょでごいす
 甲乙付け難い二句に釘付けされました。夢か現の半身は上半身なのか それとも未だ地中の下半身なのか。
 野面の黙の中と言う見事な表現力は読む人に様々な感覚を与えてくれたのではないかと。

リモートの笑ったままの四月馬鹿     ゴリラ女房
 着眼点の良さにアッパレです。これぞ正に俳諧味のある句と言えましょう。

秀逸
花御堂の乾く閑なき柄杓かな       はんでめためたごっちょでごいす
 天を指すお釈迦様が甘茶の綺羅の中におわします。柄杓は乾く閑なぞありませぬ。

並選
駅頭で交わす名刺やつばくらめ      雲霧四左衛門
 よく見かける光景とつばくらめの取り合わせが良いですね。

告白の意味図りかね四月馬鹿       粋果
 今日は四月一日ですぞ 猜疑心が湧いて来る。反面 正直言って信じたい?

新品の定期にひらり桜かな       粋果
 新品の定期に季語が良く効いてます。

ウィルスを恐れぬ男四月馬鹿      酒ぎらい
 身近にいますね~こう言う人? でも季語に依り笑えました。

駅裏の女将自慢の木の実和       酒ぎらい
 中七と下五は良くあるフレーズですが駅裏が効を成してます。

草餅にふらりと並ぶ最後尾       ゴリラ女房
 最後尾に並んだ主人公の気持ち良~く解ります。

09月26日(月) 14時07分26秒    箱の番人    2021年3月入賞句 選者のコメント

ここでもう一人の選者 荒井からひとこと
秀逸に選ばれた句へのアドバイス
海鳥の声が甘える春の浜
上五 中七 までは申し分ないが 「春の浜」という季語が「海」と近すぎる。
季語はなるべくフレーズと離した方が良い句になると思う。


09月26日(月) 14時06分09秒    箱の番人    2021年入賞句 

芦野選
特選
35 フェイク記事つまみに夜桜一人飲み    粋果
四月馬鹿の季題転じてフェイク記事に持ってきた捻り具合が楽しい。中七の八音さえ悠長ないい感じに思える。酔ったかな。

秀逸
10 海鳥の声が甘える春の浜      ひよこ豆
「甘える」の措辞がほのぼのとした春を思わせる。叙景は俳句の楽しさの一つ。

32 膝笑ふ名水笑ふ山笑ふ       なかやまとしこ
意図した三段切れのリズムで意味の変化の面白さを表現。登り降りして清流に出会い、春の山を振り仰ぐ。

並選
17 春雨の傘をはみ出す二人かな      おかめいんこ
はみ出しているところが俳味。二人の距離感の描写でもあり、初々しさが春雨と呼応。

24 蛇穴を出づる野面の黙の中     はんでめためたごっちょでごいす
春の野の平和を黙(もだ)と表現。蛇の出現も春を寿いでいる。


09月26日(月) 14時04分11秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧その3

33かたくりの妖精の声奥の森      なかやまとしこ
34告白の意味図りかね四月馬鹿     粋果
35フェイク記事つまみに夜桜一人飲み  粋果
36新品の定期にひらり桜かな      粋果
37春眠の駅のベンチや午後三時     待ち人来たらず
38胸の内言ひしぶりたる四月ばか    待ち人来たらず
39別れ霜過去も未来もレール上     ゴリラ女房
40リモートの笑つたままの四月馬鹿    ゴリラ女房
41草餅にふらりと並ぶ最後尾       ゴリラ女房
42草餅や指をまぶせり片栗粉       ゴリラ女房
43上野駅旅客ほどほど啄木忌       虚村
44春愁ひ幼き記憶私鉄駅         虚村
45みちのくの小駅の日暮れ修司の忌    虚村
46万愚節気になる人の愁ひ顔       虚村
47春風や娘の街へ続く空        ゴリラ女房

09月26日(月) 14時03分20秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧その2

⑰春雨の傘をはみ出す二人かな       おかめいんこ
⑱ ひこばえの年輪樹液かたまりぬ      おかめいんこ
⑲ 廃屋に入りたる鳥や風光る       おかめいんこ
⑳ 桃色に土手うめつくす大根の花     たんぽぽ
21無人駅花の枝風の置き土産      はんでめためたごっちょでごいす
22四月馬鹿五百羅漢の恵比寿顔    はんでめためたごっちょでごいす
23花御堂の乾く閑なき柄杓かな   はんでめためたごっちょでごいす 
24蛇穴を出づる野面の黙の中    はんでめためたごっちょでごいす
25ひこばゆる八幡の磴きりもなや   はんでめためたごっちょでごいす
26ウイルスを恐れぬ男四月馬鹿    酒ぎらい
27駅裏の女将自慢の木の芽和     酒ぎらい
28雲一朶茶畑をゆく新幹線      酒ぎらい
29上京を見送るホーム遠霞      なかやまとしこ
30画期的和製ワクチン四月馬鹿    なかやまとしこ
31ジョークなる言葉で済ます四月馬鹿  なかやまとしこ
32膝笑ふ名水笑ふ山笑ふ        なかやまとしこ

09月26日(月) 14時01分41秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧 その1

① 駅頭で交わす名刺やつばくらめ    雲霧四左衛門
② 懸命に(が)雅号考え四月ばか    雲霧四左衛門
③ 穴出づる蛇や半身夢の中       雲霧四左衛門
④ 彼の世よりこの世へ桜吹雪かな    雲霧四左衛門
⑤ ほろ酔いで君への電話四月ばか    ちび丸
⑥ 帰り道駅から子猫ついてくる     一心太助
⑦ 毎日の嘘に埋もれる四月馬鹿     ひよこ豆
⑧ 春光や廃線ホーム包み込む      ひよこ豆
⑨ 軽やかに父の手外す冬囲い      ひよこ豆
⑩ 海鳥の声が甘える春の浜       ひよこ豆
⑪ 濡縁にやみあがりの妻木瓜の花    たんぽぽ
⑫ 天に舞い天よりおつる花吹雪     たんぽぽ
⑬ 土筆つむ我にとおるひと皆声をかけ  たんぽぽ
⑭ 土手にさくピンク色の海大根の花   たんぽぽ
⑮ 梅東風やフレヤースカートふくらます  おかめいんこ
⑯啓蟄やサッカーボール中空へ       おかめいんこ

09月26日(月) 13時59分30秒    箱の番人    2021年入賞句

【並選 】
 恋猫の鳴くよ濁音鼻濁音
    リズムがいい。恋猫に濁音鼻濁音が効いている。言葉を厳選して無駄がない。
    「鳴くよ」がもっと鳴いていいと飼い主の気持ちが出てると思った。

 卒業の第二ボタンの足りなくて
    この句はボタンをあげる側、もらう側の句として読める。
     本命の子に渡せたのか。「足りなくて」で終わっているのが余韻を含んでいる。


09月26日(月) 13時58分06秒    箱の番人    2021年2月の入賞句選者のコメント

星伸予 選
【特選】
  春一番ファインダ越しの潮飛沫

    春一番は立春を過ぎて初めて吹く強い南風。潮飛沫で風の勢い、潮の香も感じました。
    顔に受けるのではなくファインダ越しというのもリアル。季語が生きていて良い句ですね。

【秀逸】
 だみ声の唱名しきり冴え返る
    唱名とは仏、菩薩の名を称えること。だみ声は僧侶か家族であろうか。
     しきりに称えるだみ声だけが空間で響く。「冴え返る」の季語がその緊張感を表している。
     冴え返るには寒気のほかに、外の光や色が鮮やかに立上がる意味もある。


  水仙のおおむねひなた向きにけり
    花はたいてい日向をむく。この句に惹かれたのは「おおむね」
     実際に見てるのだな感じた。 切れ字のけりは大袈裟かと感じる人もいるかもしれないが、
    作者のユーモアだろうか。


09月26日(月) 13時56分42秒    箱の番人    2021年選者のコメント続き

折山選
【並選】恋猫の鳴くよ濁音鼻濁音    ますらお
  「濁音鼻濁音」が恋猫の鳴き声を上手く表現されていると同時に、句の調子をたいへん整えていると思います。ただ「鳴くよ」の「よ」をどう判断するか迷いました。普通であれば「鳴くや」にするだろうと思います。「よ」はこの場合、確認あるいは同意を求める感じがうかがえます。作者はたぶん身の回りの日常感をにじませたく「よ」にされたのでしょう。私は猫を飼った経験がなく「鳴くや」としてしまいます。
春待つや磨き上げたるハイヒール   おかめさくら
  「磨き上げたる」に気持ちがこもっています。切れ字の効果も鮮やかです。完了の助動詞の連体形も的確。下五も名詞でぴしっと決まっています。

09月26日(月) 13時55分17秒    箱の番人    2021年2月入賞句選者のコメント

折山様選句
【特選】凍解や地球裏より着信音   ますらお
  凍解(いてどけ)という季語を上手く使っています。凍ってカチカチだった畑地や道路が暖かい日差しを受けて柔らかくなっていく様子が想像されます。地球裏とはどこの国でしょうか。きっとその国も凍解なのでしょう。その国からの着信音、春の喜びが感じられます。そして俳句として新鮮なものを感じます。
【秀逸】待ち受け画面暗転に春の闇   ひよこ豆
五七五でなはなく七七五の破調です。「待ち受け画面」まで一気にきて、「暗転」が強調されて、「春の闇」で余韻を残す。待ち受け画面が暗くなり春の闇が被さってきた、その感じがよく出ています。映像的な句です。感覚の問題かもしれませんが、暗転と春の闇のあいだに「に」を置かないで中七と下五の間で一拍おかせて「春の闇」とするのも手かなと思いました。「待ち受けの画面暗転春の闇」こちらは正統の五七五です。原句の方が良いかな。
日曜日マナーモードの朝寝かな    鶫
  マナーモードが効いています。ウイークデーの仕事は結構忙しいのでしょう。日曜日は朝9時か10時ころまでおやすみでしょうか。語句の構成もいいと思います。


09月25日(日) 18時58分00秒    箱の番人    2021年2月の投句箱その3

35 思い出を握り見上げる春の空       粋果
36 鶯の声一瞬を閉じ込める         粋果
37 雪解けにアドレス消して髪を切る     粋果
38「サクラさく」ラインで届く孫の笑み    絢女
39 ケータイの進歩に遊ばれ 甘茶飲む     絢女
40 十二度に三寒四温の寒の日が        絢女
41 衣紋掛 出待ち疲れの花衣          絢女
42 ケータイよ亡夫(つま)に繋がれ春の宵    絢女
43 試験開始遠く微かに救急車         虚村       
44 それじゃあと壁に手を挙げスマホ切る    虚村
45 だみ声の唱名しきり冴え返る        虚村
46 我が判定シーソーのごと大受験       ひよこ豆
47 待ち受け画面暗転に春の闇         ひよこ豆

09月25日(日) 18時55分22秒    箱の番人    2021年2月の投句箱その2

⑱ はろばろとスマホを離れ梅見かな    さっくりさん
⑲ 憂き顔をスマホに撮られ猫の恋     さっくりさん
⑳ 青森の入学式はみな 長靴で      なきべそ
21 雪中に動く黒点白鳥がいる       なきべそ
22 青森にひとすじの道敦盛草       なきべそ
23 凍解や地球裏より着信音        ますらお
24 一巡の電話に集う梅見かな       ますらお
25 バレンタイン着信音の高鳴れり      ますらお
26 恋猫の鳴くよ濁音鼻濁音         ますらお
27 下萌えやアイコンタクトしてワルツ    ますらお
28 卒業の第二ボタンの足りなくて      板チョコ
29 春一番ファインダ越しの潮飛沫      板チョコ
30 ふしくれの指に菊菜の春を嗅ぐ      板チョコ
31 春塵をひと吹き初の異動かな       板チョコ
32 水切りの石の行方や春の雲        板チョコ
33 白猫のスカートのごと白木蓮       ちび丸
34 連雀となりてあなたに会いに行く     ちび丸


09月25日(日) 18時54分09秒    箱の番人    2021年2月の

① 春一番調子外れの鼻歌がゆく  一凛
② 窓際の香炉を愛でる冬の月   一凛
③ 喧嘩して鳴らぬ携帯春浅し     ちび丸
④ キッズ携帯よりさくら咲くメール   おかめさくら
⑤ とんかつを入れし弁当大試験     おかめさくら
⑥ 春待つや磨き上げたるハイヒール   おかめさくら
⑦ 居酒屋のランチ弁当春待てり     おかめさくら
⑧ 水仙のおおむねひなた向きにけり    おかめさくら
⑨ 白木蓮見上げ携帯取り出しぬ     鶫
⑩ 携帯をかまえる先に白木蓮      鶫
⑪ 日曜日マナーモードの朝寝かな    鶫
⑫ 着信を待ちて携帯みがく春     まるこ
⑬ ザック負ふ受験子の群れ吾もまた   ため息マリア
⑭ ため息を細く吐く音受験前      ため息マリア
⑮ 見納めと閉じたり受験参考書     ため息マリア
⑯ 手が上がる受験開始の合図とて    ため息マリア
⑰ 大試験残り五分の声響く       ため息マリア

09月25日(日) 18時52分37秒    箱の番人    2020年12月2021年1月入賞句選者のコメントその2

芦野・特選
年の瀬に魔女が箒を買いに行く   一凛
 年末の買い物客の雑踏の中に魔女が混じっていてもおかしくないと思わせる。しかも箒。大掃除にもかけている。  思わずニンマリしてしまうメルヘンとウイット。ただ、上五の「に」は説明的で平板になるので「や」で切った方が良い。

09月25日(日) 18時51分35秒    箱の番人    2020年12月2021年1月入賞句選者のコメント

荒井・特選
引退の棟梁焚火育ており   ねんころりん
 「引退の棟梁」と持って来て焚火を育てると言う上手いテクニックに感銘。それにより棟梁の気持ちを色々と深読み出来る一句と言えよう。
   秀逸三句
舟方の肝ほどけゆく焚火かな   濃女
 「肝ほどけゆく」の表現により身も心も暖まり 舟方の活力が漲って来たことであろうと思いたい。
毛糸編む深夜ラジオのベース音  鶫
 良い雰囲気が出ていて それが毛糸に編み込まれて行き 素晴らしい出来映えが期待される。
吹き初めのトランペットぞ千切れ雲  虚村 
 言葉の取り合わせは文句なしである。トランペットの響く初美空に「千切れ雲」が効を成している。「ぞ」としたのは作者の拘りであろうか 興味深い。
   並選
白梅や北の都の武家屋敷    でくの坊
恐らく場所は角館の武家屋敷。桜で有名な所だが 句柄からして「白梅」がしっとりと納まって季語は動かせないと言った一句である。
   特別賞
母さんにもらってえがおお年玉    ゆうゆう(8さい)
 お年玉を手にニッコリとした ゆうゆうちゃん。その笑顔を見たお母さんは もっと嬉しかったかも。
 これから勉強して「母さんに笑顔で返すお年玉」と言うふうに作りかえたりしてみたりして下さい。もっともっとじょうずになりますよ。



09月25日(日) 18時43分44秒    箱の番人    2020年12月 2021年1月の投句箱その3

湯豆腐の揺らぎに言葉はぐらかす   濃女
日向ぼこ母の繰りごと独り言     濃女
年の瀬に魔女が箒を買いに行く   一凛
母さんにもらってえがおお年玉   ゆうゆう
肺病の寝息危うし座してまつ     一凛
老いてなお嬉しげなりてハッピーバースデイ   一凛
オメデトウ水平線に始原の光      ぎぼうし
神々し真鶴の里明け初めぬ       ぎぼうし
鳥撮りや秦野の山に分け入りて    ぎぼうし
エナガ団子親鳥やさし一家かな   ぎぼうし
投句箱微笑み成して春を待つ  ぎぼうし
コロナ禍の共通一次春近し  万年青
札納娘の後をゆっくりと   ふゆいちご
年越のライブ配信風呂は後   ふゆいちご
喧嘩独楽地球に少しかすり傷  ミロのビーナス
向かい風の箱根駅伝修羅の顔   ミロのビーナス
初笑い続けて三度ばばをひく   ミロのビーナス
夫留守の夜は湯たんぽを抱き寝る  ミロのビーナス
お湯飲みに寒紅ほのと残りけり   ミロのビーナス
吹初めのトランペットぞ千切れ雲   虚村
霜夜更け我が気管支で猫が鳴く    虚村

09月25日(日) 18時42分11秒    箱の番人    2020年12月2021年1月の投句箱その2

梅の香や下駄箱上で迎えおり     太助
振り向きて傷思い出す梅そこに  太助
病院に通いし道に梅一輪    太助
梅一輪マスクはずして深呼吸   ちび丸
梅の香は 祭なくとも 馥郁と   粋果
朝露の光に揺れて梅の花      紅月
青空の鳥と重ねて梅を見る     紅月
初釜や通い畳を心して踏む     一凛    
白梅や北の都の武家屋敷           でくの坊
夢破れ堪えし涙に梅一輪    粋果
梅の香をうとうと聞きし窓辺かな  粋果
兄弟の梅も咲きけり曾我の里   万年青
咲き初めの梅の香りに振り返る   ふゆいちご
曽我の梅遥かに富士をかかえおり  絢女
梅の影ふみて階 檀那寺      絢女
初音聞く衣干す庭にケキョッと  絢女
梅芽吹く若木残して更地なり    虚村
見送りの泪に映る梅蕾      ひよこ豆


09月25日(日) 18時40分19秒    箱の番人    2020年12月2021年1月の投句箱その1

毛糸編む深夜ラジオのベース音       鶫
ライブはねリボンのついたシクラメン   鶫
早閉めのライブハウスや冬の月       ねんころりん
はじく弦 グラスの氷 響き合い ひよこ豆
降る雪を見つつ弦楽四重奏     でくの坊
去年今年コルトレーンと語り合ふ
ベース抱き電車通学冬ざるる  虚村
船方の肝ほどけゆく焚火かな 濃女
秘めごとのひとつやふたつ大焚火    濃女
大焚火やつぱり嘘はつけません     濃女
火の番てふ仕事ありぬ焚火かな ねんころりん
引退の棟梁焚火育てをり           ねんころりん
埋火に手をかざしつつ声を待つ      鶫
コロナ禍でキャンプに焚き火再燃す   かいり
裏庭の焚火にくべる過去集め   ひよこ豆
亡き人を思い起こして榾を足す     でくの坊
金色の音の微かに焚火かな     ふゆいちご
残火に芋ホコホコと子らの笑み   絢女
ヘッドライトに色を失う焚火かな  虚村

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