ハマブン句会 投句箱

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09月25日(日) 18時37分23秒    箱の番人    2020年11月入賞句選者のコメント

折山選 
特選 「声高に九九の暗唱息白し」
   暗唱と白しの間に切れがきちんと入って句の姿形をよくしている。そして一個の詩になっている。季語も的確。ご自分の体験だろうか、写生だろうか。どちらにしても鮮やかなスナップショットだ。
秀逸 「裸木のどこかあたたか父偲ぶ」
   日の当たる冬の枝にほのかな温かさを感じ、優しかった父を思い出している。言葉遣いもまとまっていて、読む方も温かくなる。言葉の流れも切れが入り心地よい。
   「神の留守阿吽の狛の牙尖る」
   出雲へ行ってしまった神様の留守を守る阿吽の狛犬。狛犬の牙に使命感が表れてる。面白いところに目が行っていて好感。
並選 「オオタカの組み敷く下に土鳩の目」
   土鳩に哀れを感じているのだろうか。ドライな自然の営みを表しているのか。ドラマチックな場面ですが感情表現を避けているので採ります。
   「縄跳びの弧打つ地球の堅さかな」
   言葉の流れは読んで少しもたつくが、縄跳びの縄が弧を描いて地球を打つという着眼を評価。

09月25日(日) 18時36分17秒    箱の番人    2020年11月入賞句選者のコメント

荒井選
冬木立あはき日影をからめとる 
中七、下五のホッとするフレーズに凜冽とした木立との取り合わせは見事なテクニック。脱帽。
 潮騒のとぎれとぎれの歳の市   
雑踏の中の潮騒に磯の香りも感じ取れ五感を刺激された。
 冬瓜の鍋いつぱいに透きとほる     
 旨く煮えたぞと満足。主婦ならではの感覚。いや 飲んべえにも堪らない一句と言えよう。
 学校の裏門閉す鷹の森      
 廃校なのであろうか 何となく暗く重いイメージを「鷹の森」でガチッと〆を効かせた感。舞台が学校で成功。
 信楽の狸の笠や初時雨     
 不動な狸と笠に初時雨が見事にマッチ。「初」が頭に付いた季語の使いこなしは中々難しいと個人的に常に念頭に置いてる。



09月25日(日) 18時34分25秒    箱の番人    2020年11月入賞句選者のコメント

11月俳句コメント
芦野信司選
特選
 冬瓜の鍋いつぱいに透きとほる
食べ物の句は美味しそうなのが何より。他の具材も入ってそろそろ煮あがる頃か。幸せいっぱいの鍋だ。

秀逸
小春日や大桟橋のクルーズ船
すっきりと気持ちの良い句。小春日を受けたクルーズ船が眩い。
跳ね炭や三年味噌の封を切る
パチパチと火が熾り鍋の湯が煮立ってきたのだろう。味噌の香る直前の炭の香が芳しい。

並選
冬ざれのファッションビルの賑わひて
「冬ざれ」は華やかなビルに似合わず、賑わいにも似合わない。だが、大気だけに着目すればまさしく冬ざれている。それが都会らしいリアリティ。
毛布出し母の薬のころがれり
お母さんは毛布に包まりながら薬も飲んでいたのであろう。そんな毛布には懐かしいお母さんの匂いも残っているはず。


09月25日(日) 18時30分05秒    箱の番人    2020年11月の投句箱 その3

雪女郎 仕留めた俺は 目で殺す  愛 飢男
オオタカの組み敷く下に土鳩の目  ちび丸
オオタカや白頭鷲と同類か  万年青
山茶花の咲くころ妻は先立ちぬ   万年青
熱燗を含みて一つうなづけり   万年青
寄り添へる猫の甘噛み冬ぬくし   西南西
遊歩道我が影長き小春かな     西南西
空き地角土台まっさら冬浅し   西南西

09月25日(日) 18時29分11秒    箱の番人    2020年11月の投句箱 その2

神の留守阿吽の狛の牙尖る  はねこんま
音無しに梟闇を揺るがせり  はねこんま
梟の寝耳に棲みて啼く夜かな  はねこんま
北窓を塞ぐや峻峰まなうらに  はねこんま
縄跳びの弧打つ地球の堅さかな  はねこんま
冬ざれのファッションビルの賑わひて ちび丸
葉を落とし透ける夜空の青さかな   ちび丸
学校の裏門閉す鷹の森 ブルの名はと
墜落するヘリコプターのごと木の葉 ブルの名はと
ブルドックの散歩落葉を舐めるかに   ブルの名はと
小枝では掬へず紅葉流れけり    ブルの名はと
濡れ落葉積まれ瀬音の軽ろきかな   ブルの名はと
小判めく木の葉はどれも薄くなり  ロックンベエベエ
サイレンの重なる空の神渡  ロックンベエベエ
頬杖を出窓に預け返り花   ロックンベエベエ
冬晴や焼却塔の白煙   ロックンベエベエ
大木を児等の巡りて銀杏散る   ロックンベエベエ

09月25日(日) 18時27分51秒    箱の番人    2020年11月の投句箱 その1

裸木のどこかあたたか父偲ぶ  あおみかん
鷹舞うや上昇気流の探しつつ   あおみかん
毛布出し母の薬のころがれり   あおみかん
冬籠コーヒー豆を買ひ足しぬ  あおみかん
セーターの長めの袖や冬旱   あおみかん
跳ね炭や三年味噌の封を切る   もんちっち
井戸枯るるボス猫顔を洗いをる  もんちっち
潮騒のとぎれとぎれの歳の市   もんちっち
父の留守父の匂ほいの冬座敷  もんちっち
声高に九九の暗唱息白し   もんちっち
鎌上げしまま枯蟷螂の土に帰す  狸
東方へ速き潮流藤村忌     狸
冬瓜の鍋いつぱいに透きとほる  狸
瓜実の母とぬりえや一葉忌    狸
浜千鳥砂に綴れの足模様    狸
若鷹や男の矜持目に湛ふ     江の島太郎
小春日や大桟橋のクルーズ船   江の島太郎
冬木立あはき日影をからめとる   江の島太郎
暮早しコンビニ弁当温めけり    江の島太郎
信楽の狸の笠や初時雨       江の島太郎

09月24日(土) 13時20分28秒    箱の番人    2020年10月の投句箱 その4

ひとつぶの真珠の秋思夜の顔     れれれのれ
顔そむけ眠る裸形や月煌々      れれれのれ
吾の行く方へ方へとばつた飛ぶ    れれれのれ
一圓にもならずと落穂拾いけり    れれれのれ
水の秋リニアモーターカーが行く   れれれのれ 
昔日の 君まつ秋の 時計台      絢女
コロナ禍に 風が身に入む 並木道    絢女
田の隅に 横たう案山子の 面哀れ    絢女
チュン チュンと 落穂拾いは 君のもの    絢女
はざ掛て 憩う農夫と にぎり飯        絢女
蟷螂の卵みつけし刈田かな      万年青
錦秋の奥羽を妻と訪ねけり      万年青
コロナ禍や妻の仏事を縮小す     万年青
天を切る飛行機雲や昼の月      万年青
明け方に都会の野分収まりて       西南西
出来秋に動くものなし牛の声     西南西
ばね指の曲がりっぱなし秋ともし   西南西


09月24日(土) 13時19分21秒    箱の番人    2020年10月の投句箱 その3

赤ちゃんの髪生え初めしわらぼっち    ロックンベエベエ
新藁やハイジの夢のななつ星       ロックンベエベエ
銀ぶらやフットライトの初紅葉      ロックンベエベエ
七時指す塔の文字盤後の月        ロックンベエベエ
人待ちの夜寒やアンナカレーニナ     ロックンベエベエ
午後の日に輪切り檸檬のタネ数え     ひよこ豆
小人の仮宿のごとし藁ぼっち       ひよこ豆
新米のおにぎり旨しはひふへほ      岩石男
古酒ちびりちびりと赤き禿げ頭      岩石男
たそがれの富士に暮るるや藁ぼっち    岩石男
モンブラン 片手に軽ろき 靴の音    粋果
スマホ切り 見上げる時計 秋の星    粋果
アキアカネ ふわり黄金(こがね)の波に乗る    粋果
空青く 木々は紅(くれない) 富士は白    粋果
新米は 温かく甘く 友多し          粋果

09月24日(土) 13時14分21秒    箱の番人    2020年 10月の投句箱 その2

そぞろ寒半日立ちて付く既読    あおみかん  
銀やんま沖へ消えゆく快速艇    かくれんぼ
流木は鳥のかたちや秋高し     かくれんぼ
兵の隠れしままや藁ぼっち     かくれんぼ
かくれんぼしたままの子や曼珠沙華  かくれんぼ
一枚の岬の果ての刈田かな     かくれんぼ
彩も香も十月桜のさみしさよ        狸
細き雨木犀散り敷く女坂          狸
ジンジャーの花かほり二日目透ける嘘    狸
初捥ぎの柿こりこりと夫の留守       狸
端に生れ端に散りゆく曼殊沙華       狸
待ち人はついに来たらず秋の暮      素人
収穫を終へて田んぼの藁ぼっち      素人
色鳥や弾む足どりピチカート       素人
海沿ひに秋追ひかける五能線       素人
草の実を勲章にして犬もどる       素人
栗を炒る香り漂ふ街の角     驥尾女
道傍に一輪燃ゆる彼岸花     驥尾女
ドラミングのほかは聞こえず森の秋    相模のカラス
草ならすAIロボット秋うらら     相模のカラス
ぎんなんを踏みて鴉に見られけり    相模のカラス

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