ハマブン句会 投句箱

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09月27日(火) 14時53分26秒    箱の番人    2022年6月7月の投句一覧 その1

① 熱い砂あわてて飛び込む波の中    表六玉
② 浮き輪踏む跣の感触懐かしむ     紅葉
③ 香水の今ひとふりの今宵かな     銀座カンカン娘
④ 小夜曲をグラスの底に虎が雨     百葉箱
⑤ 救急の音忽と消ゆ熱帯夜       弾機
⑥ そわそわと絵日記描く子の跣かな    炭酸水
⑦ 北野祭撫牛の耳大きかり        碇久枝
⑧ 灼熱を大地とつなぐはだしかな     静御飯
⑨ 祇園舟氏子の災禍海へ捨つ       弾機
⑩ 夕映や裸足の跡の夏の浜        レモン
⑪ 夜光虫ほのぼのとして両が手に     七転び八起き
⑫ 柿葺の青苔の香銀閣寺         碇久枝
⑬ 徒跣ふろ場に続く古聞紙        炭酸水
⑭ 歌丸の幽霊話聴く夏夜         弾機
⑮ 七夕やキララナイトのイベントライブ  表六玉
⑯ 皆で食ぶ土用鰻や手術前        碇久枝
⑰ 夏の怪夜はどこぞへ出かけるや     静御飯
⑱ 白鳥座夜空を眺み吾は宙へ       レモン
⑲ 鳴き砂や裸足で家出したことも     七転び八起き
⑳ 虫追ひし少年の日よ蝉時雨       弾機
21 蓮の葉の葉ごとに滴宿したる      碇久枝
22 河川敷跣に傾斜感じをり        炭酸水
23 短夜やことに短き初デート       忘却曲線


09月27日(火) 14時48分55秒    箱の番人    2022年5月の入選句選者のコメント

芦野選
特選
《青嵐シュルシュルシュルと鉋屑》
シュルシュルと勢いよく飛び出してくる鉋屑の動きが、製材所の周囲の山とそこを渡る風を想像させて爽やか。

秀逸
《野仏の五味の深まり苔の花》
この句の五味は仏語。牛乳を精製する際の五段階の味の最後が「醍醐味」で、涅槃の境地に比することもあるらしい。苔の花が美しい。

《夏鳥の皆抱卵し森静か》
「抱卵」の措辞巧み。豊かさと静けさを表現。

入選
《豆飯の味母に似て六十九》
六十九歳の作者が母を思う。その懐かしさが伝わる。
《ラブレーを机に載せて夏の酒》
荻野アンナさんの文芸講演会でラブレーの話を拝聴したばかり。夏の酒は冷えているのだろう。うまそうだ。

09月27日(火) 14時47分28秒    箱の番人    2022年5月の入賞句 

荒井選
特選句
《野仏の五味の深まり苔の花》
野仏に対峙していると衆生能力に応じて五味の深まりを感じる。それに季語の取り合わせが絶妙である。

秀逸句
《青嵐シュルシュルシュルと鉋屑》
屋外と思いたい。鉋屑の匂い 削る音など五感が心地よく刺激される一句である。
《石段の地下要塞へ蟻の列》
読み人は作者に上五から中七へ導かれて行く。その先には何と蟻の行列とは見事な落ちである。捻りが効いている。

並選
《制服のスカートめくり青嵐》
作者は男性か 幼少の頃を思い出して詠んだのか いやはやスカートを捲ったのは青嵐とは何ともはや……。
《薫風や三味の佳境の撥捌き》
奏者は一点を見つめて微動だにせず 一見無表情ではあるが筋肉は緊張している。その昂りに時折 薫風が鼻腔を掠めて行く。


09月27日(火) 14時46分08秒    箱の番人    2022年5月の投句一覧 その2

㉔茄子漬口中秘伝の味広ぐ       起上がり小法師
㉕青嵐セッカの股を広げたり      若葉
㉖薫風や三味の佳境の撥捌き      しらす
㉗梅雨晴間泥んこ跳ねる道普請     起上がり小法師 
㉘野仏の五味の深まり苔の花      しらす
㉙腕捲り久方造る穴子寿司       レタス
㉚病院の報せ待つ居間青嵐       苺大福
㉛石段の地下要塞へ蟻の列       碇久枝
㉜初下ろし鏡に写す浴衣かな      レタス
㉝巴里祭掲ぐる旗は「眠主主義」    弾機
㉞草取りのガールスカウト善光寺    碇久枝
㉟青梅をどつさり笑みと共に受く    起上がり小法師
㊱キャンパスの裏にひっそり蓮の花   静御飯
㊲青嵐二階の屋根を走り抜け      苺大福
㊳ふる里へ断捨離難き帰省かな     起上がり小法師
㊴開帳や回向柱の殿に         碇久枝
㊵高原で話の中の天の川        笹舟
㊶夏立つやホールをおほふ知の熱気   愚夫
㊷薄味の肴に夫は文句たれ       苺大福
㊸髪赤き講師見送る夏の月       愚夫
㊹山椒味ジャコの炒め煮舌痺れ     レタス
㊺狭庭を膨らませたり青嵐       苺大福
㊻ラブレーを机に載せて夏の酒     弾機


09月27日(火) 14時45分15秒    箱の番人    2022月5月の投句一覧 その1

2022年五月の投句一覧(俳号あり)
① 青嵐シュルシュルシュルと鉋屑     しらす
② 新緑やほどほどの坂歩ききる      レタス
③ 夏鳥の皆抱卵し森静か         瑠璃
④ 趣味にして自由気ままに春の朝     紅葉
⑤ 夏料理絶佳な母の隠し味        しらす
⑥ 賞味期限忘れた卵や猫の恋       紅葉
⑦ 白玉や水にくぐらせ淡き味       苺大福
⑧ 夏の日や糊をきかせた白シーツ     箱女
⑨ 制服のスカートめくり青嵐       碇久枝
⑩ 田植え終え白鷺一羽すっと立ち     静御飯
⑪ 青嵐吹き溜まりに居る待ちぼうけ    紅葉
⑫ ひとやすみ子供神輿のアイスクリン   瑠璃
⑬ 青嵐旅した兄は額の中         レタス
⑭ 憂き世にもポジティブに生く青あらし  弾機 
⑮ 吟醸の酒青冴えの立夏かな       しらす
⑯ 雨粒を避けて通るサイダーや      紅葉
⑰ 門前の名物七味御開帳         碇久枝
⑱ 豆飯の味母に似て六十九       箱女
⑲ 青嵐戸外が騒ぐ一軒家        笹舟
⑳ 汗飛ばし走る先にはバラの園     静御飯
㉑青嵐恋に割り込む隙の無く      起上がり小法師
㉒髪切りし頭吹き抜く青嵐       静御飯 
㉓高原で星空教室初夏の味       笹舟


09月27日(火) 11時52分38秒    箱の番人    2022年4月入賞句選者のコメント

星選 続き
並選
  夏めくやカンタービレに川の音
「カンタービレ」はクラシック音楽では、イタリア語・発想記号で「歌うように、表情豊かに。」という意味。「夏めくや」の切れがいいと思いました。カンタービレが流れのほど良い強さ、水量、そしてそれを聞いている作者の心情が分かります
  雨粒を受けて半眼青蛙
 ニホンアマガエルは、雨が降る前に鳴くことがあるそうです。雨粒ということは降り始めでしょうか。上五下五の「雨……」は湿度が感じられ、声に出して気持ちのいい句だと思いました。半眼の蛙の可愛らしさが伝わります。

09月27日(火) 11時49分36秒    箱の番人    2022年4月の入選句選者のコメント

星伸予選
特選
  青嵐シェークスピアの壁の穴
 真夏の夜の夢 「ホール・イン・ザ・ウオール」恋人同士が壁の穴を通してささやきあう。これは二人が結ばれるまでの障害を壁にたとえています。
青嵐は万緑をゆるがして吹きわたる風。「青嵐と万緑」これ以上の恋人同士がいるでしょうか。壁=行き止まり(暗)のイメージが穴という突破口(明)
発想もいいと思いました。
秀逸
  荒壁の鏝の返しや青嵐
 下塗をした壁に補修なのか仕上げ塗なのか。「鏝の返しや」に熟練された仕事ぶりが  想像出来ました。青嵐の季語が職人の爽快で明るい人柄まで見えてくるようです。
  どくだみは母の残り香深庇
 ドクダミの葉はハート型で臭いが強く、民間薬の原料として昔から重要とされています。母という存在は困った時には頼ってしまうけれど、普段は少々うっとうしい存在(私個人の感想)この句に惹かれたのはそういうことかもしれません。「母の残り香」は久しぶりに作者が実家戻られたのか、もうそこにお母様がいらっしゃらないのか。深庇が残り香を深めているような気がします。そういえば母の日が近いですね。



09月27日(火) 11時47分43秒    箱の番人    2022年4月入賞句 選者のコメント

折山正武選
特選 
  一斉に蛙の合唱母の郷
 久しぶりに故郷へお帰りになったのでしょう。帰郷を歓迎するかのように蛙が合唱した。技巧のない自然な詠みぶりに好感を持ちました。句の姿も整っていると思います。
秀逸
  降るたびに声のふくらむ蛙かな
 面白い捉え方です。蛙が鳴く時に喉がふくらむのを声がふくらむと表現されたのだと思います。雨が降るたびにふくらむ、しかもそのふくらみがひと雨ごとに大きくなっていきそうです。切れ字「かな」も上手く収まっています。
  白壁の揺るぐ青柳蔭ほのか
 白壁と蔭の句はよくありそうにも思いますが、作者は所謂類想などという観念はなく作られたと思います。たしかに白壁と蔭は印象的ですから、句にしたいという気持ちはよく解かるし、尊重したいと思います。
並選 
   牛蛙顔がなくなる大欠伸
 俳味たっぷりの句です。私はその情景を見たことはありませんが想像して笑えます。如何にもありそうです。口語的表現が味を深めているように思います。拍手。  
  静かなる白壁の街夏日影
 「静かなる」と説明しないで分かる五音の情景描写がないかと思いましたが難しいでしょうか。人通りの少なくなった旧い街並みが想像されます。尚、「夏日影」の影は陽光を謂い所謂物の蔭ではありませんね。「かぐやひめ」の「かぐ」や「輝く」の「かが」も同じ語源です。

09月27日(火) 11時15分20秒    箱の番人    2022年4月の投句一覧 その3

自由題
㉗五月雨に旅に向かうや時近し       
㉘夏めくやカンタービレに川の音      
㉙今年竹ひと夜に塔を下に見て      
㉚朧月家路へそぞろ歩きかな       
㉛観覧車天空に座す光る風        
㉜春うらら絵本背表紙ひうふうみい    
㉝篝火に煌めく神輿納めかな       
㉞青葉山だいだらぼっちのサラダかと   
㉟どくだみは母の残り香深庇       
㊱2Bのひらがな濃し一年生    
㊲退職の妹の上京豆の花      

09月27日(火) 11時14分20秒    箱の番人    2022年4月の投句一覧その2

兼題 蛙 青蛙 雨蛙
⑭蛙飛ぶ木の間の水面輪になりけり     
④雨蛙珪藻壁を登りをり          
⑮河鹿鳴く清水こぼるる大菩薩       
⑯あたり来ぬ釣りや蛙の目借時       
⑰牛蛙顔がなくなる大欠伸         
⑱硝子戸に腹を見せたる痩せ蛙       
⑲ひと啼きをお願い申す雨蛙       
⑳降るたびに声のふくらむ蛙かな     
⑨海渡り帰宅の壁に青蛙         
㉑別れ来て蛙の声のする方へ        
㉒雨粒を受けて半眼青蛙        
㉓蛙泳ぐ前足所在無しにかな       
㉔一斉に蛙の合唱母の郷         
㉕植える手の親父そっくり青蛙      
㉖二つの目青の中より青蛙   

09月27日(火) 11時13分07秒    箱の番人    2022年4月投句一覧 その1

兼題 壁
①乗り越える壁の向こうは虹かかり     
②朧夜の壁の落書き子は嫁に        
③青嵐シェークスピアの壁の穴       
④雨蛙珪藻壁を登りをり          
⑤白壁の揺るぐ青柳蔭ほのか         
⑥荒壁の鏝の返しや青嵐        
⑦盲壁仄とリラの香透かしけり      
⑧春灯や壁へ伝わる淡き影        
⑨海渡り帰宅の壁に青蛙         
⑩静かなる白壁の街夏日影         
⑪鯉幟翁は爽と壁テニス         
⑫姫路城真白き壁や春の月        
⑬白壁に影大揺れの朴の花  

09月27日(火) 11時09分43秒    箱の番人    2022年3月入賞句選者のコメント

荒井理沙選
特選
春泥や門付け鬼の踏む大地 
「門付け鬼」とは地方の古くからある行事なのであろう。「踏む大地」により読み人は本物の鬼に思えて来る。泥を物ともせずに撥ね飛ばして行く大きな鬼の足の裏を想像する。
秀逸
しゃぼん玉一生涯の無音界
確かにシャボン玉は音無しに生まれ消えて行く。当り前ではあるが「一生涯」とした事により 句は上手く成り立っている。
漁網編む老の手さばき鳥雲に
年を重ねたゴッツイ指ではあるが 巧に漁網を編んでいる。季語との取り合わせは抜群である。
並選
春の虹七音階のあるやうな
虹の七色を音階に切り替えた事 あっぱれである。
春疾風しどろもどろの波の音 
波の音を「しどろもどろ」と表現した事に成功した。従って「春疾風」は動かし難い季語である。
踏み出してその深さ知る春の泥
上五から中七へと読み進めると 次に何が来るのだろうかと思いを馳せる。納まりの良い下五に「落ち」を感じた。
雪解急流木瀬々にへし合へり
急な雪解により 増水した河瀬に流された木が ぶつかり合っている。その激しい音と水流の様が目に浮かぶ。
しゃがみこむ揃ひの帽子仏の座
無難な季語を選んでいる。試みに「座禅草」に変えてみた。座禅草は仄かに熱を帯びている。子供等が次々に仏焔苞の中に指を入れ 温もりを確かめ合っている。と深読みしたくなる様な句になる。一応 参考の為に。


09月27日(火) 11時07分56秒    箱の番人    2022年3月入賞句 選者のコメント

芦野信司選
特選
手力男磯巾着を揺らしをり
アメノタヂカラオノミコトはアマテラスを天の岩戸から引き出した怪力神。その神が磯巾着を揺らすという発想の妙。自然と神話を直にぶっつけ、古代人の詩情を醸している。
秀逸
春疾風しどろもどろの波の音
繰り返す崩れる波音のリズムを脅かす疾風。「しどろもどろ」の滑稽味ある擬人化が「春」の雰囲気を作っている。
森なかの笛の音や蛇穴を出づ
「蛇穴を出づ」の七音の季語に挑戦。笛の音のイメージと蛇の相性の良さに、上五のリアリティが結合。ただ、「森なかの」の詰まった語感が気になる。
入選
春泥や運河に並ぶ倉庫群
泥にもめげず働く人たちの姿を彷彿させる。
春泥や土塀にこもを掛けしまま
こもを掛けて土塀を冬の寒さから守ったのであろうか。最後の「まま」で、今はその役目が終わっていることがわかり、季語の語感を深める
ポンポン船艀引きゆく春の風
ポンポン船と春の風の取り合わせの心地よさ。
魚網編む老の手さばき鳥雲に
手捌きの近景と鳥雲の遠景の対比のよさ。
しゃがみこむ揃ひの帽子仏の座
複数人の子供が注視している真ん中に季語の仏の座。この空間構成を簡潔に表現。


09月27日(火) 11時05分00秒    箱の番人    2022年3月の投句一覧 その3

自由題
㊱雪解急流木瀬々にへし合へり         七色仮面
㊲初蝶のひらりと出合う昼下がり        トマト?
㊳手力男磯巾着を揺らしをり          トマト?
㊴蟻穴を出る蟻を踏む独裁者          トマト? 
㊵春みなと別れの曲のおけさ節         弾機
㊶春霞興奮気味の夫なり            紅葉
㊷結願へ十の観音春兆す            因子              
㊸ポンポン船艀引きゆく春の風         荒智十三
㊹嶺々に銀色の雪残りをり           荒智十三
㊺春日差し小窓の並ぶ倉庫群          荒智十三
㊻つくしんぼ黒き指先みせあえし        二進も三進も
㊼瑠璃たては追ひつ迷子の涙かな        二進も三進も
㊽漁網編む老の手さばき鳥雲に         二進も三進も
㊾ローアングルのおかめざくらや車椅子     中山みどり
㊿犬ふぐり質問責めに遭ひにけり        中山みどり
51しゃがみこむ揃ひの帽子仏の座        中山みどり


09月27日(火) 11時03分56秒    箱の番人    2022年3月の投句一覧 その2

兼題 春泥
㉑学生が春泥ザクザクスニーカー        紅葉
㉒春泥や坂へ踏み出す一歩二歩         七色仮面
㉓踏み出してその深さ知る春の泥        砂時計
㉔春泥や夫の手を借り鎌倉路          トマト?
㉕春泥や門付け鬼の踏む大地          弾機
㉖春泥を避けて出会うは初の道         粋果
㉗春泥を厭う少女ら声高し           粋果
㉘避けるも踏むも駅前春の泥          炊き込みご飯
㉙春泥や小さき足跡二つ三つ          炊き込みご飯
㉚春泥や運河に並ぶ倉庫群           荒智十三
㉛春泥の運河人影まばらなり          荒智十三
㉜春泥に足をとられし児の泣けり        咲木かおる
㉝母と子に春泥跳ねる日差しかな        咲木かおる
㉞春泥や土塀にこもを掛けしまま        二進も三進も
㉟春泥や鉄屑の戦車連隊            中山みどり

09月27日(火) 11時02分36秒    箱の番人    2022年3月の投句一覧 その1

兼題 音
①春の虹七音階のあるやうな          七色仮面
②春時雨屋根へ庇へ音変えて          七色仮面
③しゃぼん玉一生涯の無音界          七色仮面
④賽銭の音のかろさや退院の春         翡翠
⑤琴の音はつま弾く指を大切に         紅葉
➅ジェット音切り裂く先の春の空        砂時計
⑦靴の音「夫お帰りと」春の月         トマト?
⑧翡翠の睦み合う音謗る音           鶫
⑨無音の病室スリッパに落花ひとひら      鶫
⑩森なかの笛の音や蛇穴を出づ         因子
⑪春草やのたり聞こゆる馬頭琴         愚夫
⑫酒片手浅蜊の開く音を待つ          粋果
⑬囀りの主はどこかと木を仰ぐ         粋果
⑭黒塀に長唄三味線春の宵           粋果
⑮エレベーター到着音の十二階         炊き込みご飯
⑯小銭入れ十円百円ぶつかりて         炊き込みご飯
⑰ありふれた空に広ごる春の音         咲木かおる
⑱春泥に牛の鈴音とまりけり          咲木かおる
⑲春疾風しどろもどろの波の音         二進も三進も
⑳鼻濁音の歓声漏るる花吹雪          中山みどり

09月27日(火) 11時00分59秒    箱の番人    2022年2月入賞句選者のコメント

星 選
特選
猫柳利休鼠にふくらめり
  猫に鼠。作者の遊び心がいい。
秀逸 
外つ国の鼓草とや風掴む
  ほとんどのタンポポが外来種ときく。タンポポと言えば風を連想させるが下五
  に工夫がみられる。
土塊をほぐす匂いや余寒なほ
   や で切れて土の匂いを受け取った後に「余寒なほ」
   味わい深い句。
並選
寄り道のマックの黄色春の宵
   小腹が空いてコーヒーでも飲んでいるのだろうか。
   マックの黄色。その黄色に菜の花を連想した。春の宵と寄り道。ゆったりとした
   時間を感じる。
七段の雛おはします苫屋かな
    七段の雛は豪華。おはしますと言いながらの苫屋。
    かなの詠嘆がさらに可笑しみを増す。

09月27日(火) 10時59分30秒    箱の番人    2022年2月 入賞句選者のコメント 折山続き

佳作
銀色の声響きをりカーリング
銀色の声という措辞に感心しました。ストーンが滑ると同時に氷の上を選手の声が響き渡った先日のオリンピックの映像がまざまざと浮かびます。ただ、カーリングはまだ季語になっていません。無季の句として戴きました。近い将来季語になるのではないでしょうか。
淡雪や蕾ほんのり紅をさす
うっすらとした雪景色の中、開花間近の梅の蕾か桜の蕾か、ほんのり赤くなっているという景にまず引き付けられます。私も経験したことがあるので共感しました。

残り日を数えてみたし鳥帰る
作者にとって残り日とは何をイメージしているのでしょう。人生の残り日か、嫁ぐまでの残り日か、いろいろなケースがありそうです。読者は読者としての残り日を想定して鑑賞したらいいと思います。私はどこか切なさを感じました。句としてもきちんと切れが入って良いですね。


09月27日(火) 10時57分59秒    箱の番人    2022年2月入選句 選者のコメント

折山 選
特選
土塊をほぐす匂いや余寒なほ
早春の感覚がよく捉えられています。匂いばかりでなくほぐされた土の触感までも伝わってきます。語句の構成も中七の切れ字「や」がいきています。ただ望むらくは「なほ」が歴史的仮名遣いになっているので「匂い」も「匂ひ」としたら如何でしょうか。
秀逸
蒲公英の絮旋風に抗わず
たんぽぽの綿毛が風に身を任せ飛ばされていく一瞬を捉えました。風に飛ばされることを、風に抗わずと表現した点を評価しました。
七段の雛おはします苫屋かな
七段の雛とはかなり豪華なお雛様なのでしょう。それが苫屋という粗末な小屋に飾ってあるという。その落差が妙味ですが、実際は旧家のお屋敷を謙遜して表現しているのかもしれません。それはそれとして、なかなか味わいのある句だと思います。


09月27日(火) 10時54分35秒    箱の番人    2022年2月の投句一覧 その3

自由題
①ミモザ抱きステップ踏んで逢いに行く          凛
②淡雪や蕾ほんのり紅をさす               夢見る乙女
③春の水赤子も吾も育くまれ               イチゴちゃん
④春寒や満月抱え家に着く                イチゴちゃん
⑤ほうれん草私もポパイ力拳               イチゴちゃん
⑥残り日を数えてみたし鳥帰る              杓子
⑦首肩の凝りをほぐすや雛人形              杓子
⑧七段の雛おはします苫屋かな              弾機
⑨如月や馥郁たりぬ河津町                ねんころりん
⑩初誕生前の歩みや春の雪                ねんころりん
⑪猫山に入るを許さず日向ぼこ              ねんころりん
⑫土塊をほぐす匂いや余寒なほ              支離滅裂
⑬抜きん出し蕗の薹旭光の中               支離滅裂
⑭猫柳利休鼠にふくらめり                支離滅裂
⑮言の葉のゆき交う子らの卒業式             月見中福


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