ハマブン句会 投句箱

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09月26日(月) 14時24分49秒    箱の番人    2021年6月7月の投句箱 その1

①初恋も失恋もまた夏帽子    ちび丸
②ペコちゃんに少し小さな夏帽子   ポコちゃん
③梅雨明の街に楽隊旗旗旗     ポコちゃん
④海の見える墓地さわやかな夏の風  荒智十三
⑤炎昼や墓苑のそばの保育園     荒智十三
⑥雑草と云ふ名の草無し夏香る    荒智十三
⑦木漏れ日の参道に鹿の立止る   荒智十三
⑧西日激し父母のいる過疎の町     咲木かおる
⑨荒れ庭や自転車かごの夏帽子    ぱせり
⑩野球帽つばの先の入道雲     ぱせり
⑪麦藁帽とばし谷間の深さ知る   荒智十三
⑫山手からアイスクリンと坂下る  異人さん
⑬近澤のレースがみやげ夏休み  異人さん
⑭キタムラのショーウィンドウに花火咲く  異人さん
⑮稲妻や昨夜の罪を暴くごと   ハマっ子
⑯夏帽子の鍔に隠れし人見知り  眠り猫
⑰思い出と砂の残りし麦藁帽    眠り猫
⑱海に消ゆ風に奪られし夏帽子   眠り猫

09月26日(月) 14時23分23秒    箱の番人    2021年5月入選句 選者のコメント

芦野選
特選
千枚田上がり下がりの田植笠    ちんぷんかんぷん
田植えといえば、一列になって苗を植える平面的な姿を想像してしまうが、この句は縦の動きを入れてきた。「棚田」と言えば説明的に響くところを「千枚田」とし豊穣への期待を膨らませた。
秀逸
太極拳の片足立ちや風薫る     げんごろう
片足立ちという不安定な姿勢に風が渡る。風の勢いを言わず「風薫る」の季語を選択した良さが光る。風の優しさだけでなく、周囲の新緑も自ずと表現。

鷺降りてたちまち光る夏の川    げんごろう
この句は、鷺の降り立つ姿を追う作者の視線が夏の日差しを反射する川と出会ったことを表現したのみ。鷺と川に何の因果関係がある訳ではない。しかし「たちまち光る」と感じた瞬間は、作者独自の大切な瞬間。句はその大事な瞬間をピン留めした。

入選
 飴色の頁をめくる桜桃忌     ぱせり
 入梅や古紙回収の文庫本     みのるんるん
昔読んだ本を読み返したり、惜しいと思いながらも捨ててしまったり、どちらの句にも古書への尽きせぬ愛情が流れている。

09月26日(月) 14時22分17秒    箱の番人    2021年5月の入選句 選者のコメント 続き

荒井選
並選
阿夫利嶺の影を揺らせる代田かな    げんごろう
引かれたばかりの水は揺めき苗を植えるばかりになっている。形の良い峰は豊作を予兆しているかの様だ。
頁繰る病室の窓燕来る         ちび丸
窓の近くに巣があるのかな。回復が近い感じがする。
哲学もコミックもある曝書かな     三振アウト
虫干しをしている光景に難しい書ばかりでなく コミックもあって「かな」と言う詠歎により安堵感を与えてくれる
千枚田上がり下がりの田植笠      ちんぷんかんぷん
棚田だとすぐ解る。上がる人下がる人のすれ違い。その姿が田水に映り より賑やかさを増している。
ランドセル小さくなりぬ衣更      みのるんるん
季語の取り合わせが意外で面白い。ランドセルが小さくなったと言う事は服もあれこれ着れなくなった。まだ傷んでいないのに。反面 成長は親にとつては嬉しいものである


09月26日(月) 14時20分47秒    箱の番人    2021年5月の入選句 選者のコメント

荒井選
特選
太極拳の片足立ちや風薫る   げんごろう
片足は地球に居着いている。ポーズは此の形に決まったばかりなのか次のポーズに移る間際か いや息を止め暫し此の形を維持している最中と思いたい。季語が気持ち良い。
代搔や姥捨山の乱反射     みのるんるん
固有名詞を使う事によって成功するか否か問われる事がある。此の句は大成功したと言えよう。「乱反射」により「姥捨山」が際立って来る。又季語を上五に持って来て「や」の切れ字で心地良く納まっている。
秀逸
飴色の頁をめくる桜桃忌     ぱせり
忌日の季語の使い方は難しい。「飴色のページ」により昭和レトロの雰囲気がマッチしていて上出来。太宰治の書を読みこなしている作品と思える。
黒南風の岩礁波を遊ばせり     ちんぷんかんぷん
岩礁が見え隠れしている。波1打1打は同じ様は二度とない。それを「遊ばせり」と表現したのか……。
入梅や古紙回収の文庫本     みのるんるん
先ず古書特有の匂いを感じた。良くある情景であるが句柄として情感が湧いてきた。

09月26日(月) 14時19分03秒    箱の番人    2021年5月 投句一覧 その3

㉝忘草書棚の隅に放浪記          刺繍花
㉞白無垢のうなじ光れり早苗月        刺繍花
㉟命日や母の箪笥の藍微塵          刺繍花
㊱三回忌百合の香に起こされり        刺繍花
㊲葉桜や公園緑地の石畳           刺繍花
㊳知る人の減りたる職場青嵐         さくらんぼ
39田水張り揺れる青空白き鳥          荒智十三
40田植機の音の高鳴る被災地に         荒智十三
41納屋傾き水車の回る田植歌          荒智十三
42苗運ぶ農婦に日差しやはらかく        荒智十三
43畦道を刈るきみの手をにぎりたし       荒智十三
44苗なびき風の形を映し出す          粋果
45 Uターン植田に降る雨音優し        粋果
46 少女読む恋に似てるはソーダ水       粋果
47 本閉じてしばし眺むる金魚玉        粋果
48 吊床で探偵開くミステリー         粋果


09月26日(月) 14時17分50秒    箱の番人    2021年5月投句一覧 

⑰水色の風に波立つ植田かな       三振アウト
⑱哲学もコミックもある曝書かな     三振アウト
⑲初恋は忘れえぬもの山法師       三振アウト
⑳千枚田上がり下がりの田植笠      ちんぷんかんぷん
㉑差掛る佳境に栞ビール干す       ちんぷんかんぷん
㉒葉桜や川面に赤き浮子ひとつ      ちんぷんかんぷん
㉓矢車のカラカラカラと笑ひだす     ちんぷんかんぷん
㉔黒南風の岩礁波を遊ばせり       ちんぷんかんぷん
㉕代搔や姥捨山の乱反射          みのるんるん
㉖入梅や古紙回収の文庫本         みのるんるん   
㉗翡翠の水面指す嘴照準器         みのるんるん
㉘逃げもせで興味津々蜥蜴出ず       みのるんるん
㉙ランドセル小さくなりぬ衣更       みのるんるん
㉚首かしげ釣り糸たぐるサングラス     おやこだか
㉛噴水の己掻き消すごとく消ゆ       おやこだか
㉜月蝕にも白き大根の花          ぱせり

09月26日(月) 14時16分45秒    箱の番人    2021年 5月投句一覧 その1

①アマサギや見え隠れする早苗風     ちび丸
②転生は鳶にならむか青田波       げんごろう
③阿夫利嶺の影を揺らせる代田かな    げんごろう
④本棚に欠くる一冊明け易し       げんごろう
⑤太極拳の片足立ちや風薫る       げんごろう
⑥波音に浜昼顔の頷きぬ         げんごろう
⑦初?や銀山跡の雑木山          げんごろう
⑧鷺降りてたちまち光る夏の川      げんごろう
⑨早乙女や時が腰曲げ背中曲げ      ぱせり
⑩飴色の頁をめくる桜桃忌        ぱせり
⑪午睡ゆめ在りし日の絵本読む母     ぱせり
⑫新緑に生まれし次女もはや三十路    かいり
⑬頁繰る病室の窓燕来る         ちび丸
⑭霊山を引き寄せ植田浅緑        おたのもう
⑮未知と言う本乗せはねるランドセル   ちび丸
⑯水田のユスリカ崩す手稲山       ぱせり

09月26日(月) 14時15分12秒    箱の番人    2021年4月入賞句 選者のコメント

折山正武
【特選】
土牢の声なき声や楠若葉
無念の思いを抱きながら歴史の闇に消えた人たちの声に思いを寄せる句。楠若葉に救われる。場所を特定する必要はないが、護良親王が押し込められた鎌倉宮の土牢を想起する。動詞のないすっきりした句の形も心地よい。
【秀逸句】
蚯蚓のび縮む轍の深さかな
面白い視線だ。農道だろうか、轍の中で蚯蚓が這いあがろうとくねくね身体を動かしている。俳諧味がある。十七音を九と八に分けて一拍おき、八の最後をかなで締めている。読んで淀みがない。
【佳作】
パスワード忘れしままに木の芽時
春になって活動を活発にというとき、パスワードを忘れて困ったなというところか。句に切れはないが、名詞で止めてきちんと納まっている。
閂の軋む重さや蟇の闇
ベテランの句と拝見した。句の作り方をよくご存じだ。整っている。蟇の闇もいい雰囲気を醸し出している。「推敲」の語源となった「僧は推す月下の門」か「僧は敲く月下の門」か迷ったという唐の詩人賈島の故事を想起する。この句はただし軋むのは閂で、門の扉ではない。
新樹光詩の行間に何かある
現代的な口語句。詩は、言葉と言葉の間の空間も詩の一部なのだ。詩人はそこを読んでほしいと願う。季語「新樹光」がよく利いている。

09月26日(月) 14時13分59秒    箱の番人    2021年4月入賞句 選者のコメント

星伸予
特選
水槽の底を這ふ鮫若葉寒
鮫と若葉寒の取り合わせが凄いと思いました。「底を這ふ」鮫のゆったりした動き。そして水槽の冷たさも感じられます。
秀逸
鍵穴の外は春雨しおり解く
下五「しおり解く」が春雨の優しい季語と合っていると思いました。「鍵穴の外」で篭っている様子も分かります。
音変へて風万緑の棚田へと
万緑の持つ力強さと生命力、そして風の音。耳も目も満足させてくれました。

並選
新緑や鳥語かくかくしかじかと
かくかくしかじかが面白いですね。鳥は長い話を「ぴー」などと一瞬で伝えてるのですね。新緑の季語があっています。

閂の軋む重さや蟇の闇
軋むほど重い閂。そこに閉じ込められたヒキガエル。先日のハマブンカフェのテーマを思い出しました。どうりでこの句から目が離せなかったわけです。


09月26日(月) 14時12分24秒    箱の番人    2021年4月投句一覧 その2

⑲深窓の鍵は朧に影法師         山姥
⑳永き日の看守数へる鍵の束       山姥
㉑新樹光詩の行間に何かある      山姥
㉒道化師の瞳一転揚げ雲雀       山姥
㉓新緑や鳥語かくかくしかじかと  腰抜け忍者
㉔土牢の声なき声や楠若葉     腰抜け忍者
㉕五月雨の大仏青をしたたらす   腰抜け忍者
㉖丘の上に続く轍や虎が雨     腰抜け忍者
㉗蚯蚓のび縮む轍の深さかな    腰抜け忍者
㉘音変へて風万緑の棚田へと    なんじゃもんじゃ    
㉙山窓の鍵放たるる立夏かな    なんじゃもんじゃ   
㉚新緑やオオルリの声谺して    ちび丸
㉛鍵ひとつ故里遠き麦の秋    ちび丸
㉜一頭の牛春蝶のふたつづれづれ     みのるんるん
㉝聞き取れぬ児の早口や緑さす      みのるんるん
㉞衣替へ箪笥の鍵の在り所          みのるんるん

09月26日(月) 14時11分06秒    箱の番人    2021年4月投句一覧 その1

①パスワード忘れしままに木の芽時          木瓜の花
②鍵穴の外は春雨しをり解く              木瓜の花
③水飛沫あげる水車や若楓             風野又三郎
④青空にのこるさざ波鳥帰る            風野又三郎
⑤まなうらに表紙の女春の闇            風野又三郎
⑥渋谷駅地下五階なり亀鳴きぬ           風野又三郎
⑦うららかやポケットの中の鍵踊る         ぱせり
⑧大空のキャンバス筆は柳の芽            ぱせり
⑨ひと気なきバーのウインドウ新樹光        ヘミング道
⑩キー預け悪友といる春の夜              ヘミング道
⑪水槽の底を這ふ鮫若葉寒             長洲とりお
⑫街薄暑ホテルのキイを胸に差し        長洲とりお
⑬新緑のテラス似合わぬ別れかな      粋果
⑭新緑の土手ひたすらに三輪車       粋果
⑮パス更新都度メモを見る新年度      粋果
⑯緑陰でクロスワードの贅沢さ    粋果
⑰青嵐壊せ自分を閉じる鍵      粋果
⑱閂の軋む重さや蟇の闇         山姥

09月26日(月) 14時09分08秒    箱の番人    2021年3月入賞句 選者のコメント

荒井選
特選句
穴出づる蛇や半身夢の中     雲霧四左衛門
蛇穴を出づる野面の黙の中     はんでめためたごっちょでごいす
 甲乙付け難い二句に釘付けされました。夢か現の半身は上半身なのか それとも未だ地中の下半身なのか。
 野面の黙の中と言う見事な表現力は読む人に様々な感覚を与えてくれたのではないかと。

リモートの笑ったままの四月馬鹿     ゴリラ女房
 着眼点の良さにアッパレです。これぞ正に俳諧味のある句と言えましょう。

秀逸
花御堂の乾く閑なき柄杓かな       はんでめためたごっちょでごいす
 天を指すお釈迦様が甘茶の綺羅の中におわします。柄杓は乾く閑なぞありませぬ。

並選
駅頭で交わす名刺やつばくらめ      雲霧四左衛門
 よく見かける光景とつばくらめの取り合わせが良いですね。

告白の意味図りかね四月馬鹿       粋果
 今日は四月一日ですぞ 猜疑心が湧いて来る。反面 正直言って信じたい?

新品の定期にひらり桜かな       粋果
 新品の定期に季語が良く効いてます。

ウィルスを恐れぬ男四月馬鹿      酒ぎらい
 身近にいますね~こう言う人? でも季語に依り笑えました。

駅裏の女将自慢の木の実和       酒ぎらい
 中七と下五は良くあるフレーズですが駅裏が効を成してます。

草餅にふらりと並ぶ最後尾       ゴリラ女房
 最後尾に並んだ主人公の気持ち良~く解ります。

09月26日(月) 14時07分26秒    箱の番人    2021年3月入賞句 選者のコメント

ここでもう一人の選者 荒井からひとこと
秀逸に選ばれた句へのアドバイス
海鳥の声が甘える春の浜
上五 中七 までは申し分ないが 「春の浜」という季語が「海」と近すぎる。
季語はなるべくフレーズと離した方が良い句になると思う。


09月26日(月) 14時06分09秒    箱の番人    2021年入賞句 

芦野選
特選
35 フェイク記事つまみに夜桜一人飲み    粋果
四月馬鹿の季題転じてフェイク記事に持ってきた捻り具合が楽しい。中七の八音さえ悠長ないい感じに思える。酔ったかな。

秀逸
10 海鳥の声が甘える春の浜      ひよこ豆
「甘える」の措辞がほのぼのとした春を思わせる。叙景は俳句の楽しさの一つ。

32 膝笑ふ名水笑ふ山笑ふ       なかやまとしこ
意図した三段切れのリズムで意味の変化の面白さを表現。登り降りして清流に出会い、春の山を振り仰ぐ。

並選
17 春雨の傘をはみ出す二人かな      おかめいんこ
はみ出しているところが俳味。二人の距離感の描写でもあり、初々しさが春雨と呼応。

24 蛇穴を出づる野面の黙の中     はんでめためたごっちょでごいす
春の野の平和を黙(もだ)と表現。蛇の出現も春を寿いでいる。


09月26日(月) 14時04分11秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧その3

33かたくりの妖精の声奥の森      なかやまとしこ
34告白の意味図りかね四月馬鹿     粋果
35フェイク記事つまみに夜桜一人飲み  粋果
36新品の定期にひらり桜かな      粋果
37春眠の駅のベンチや午後三時     待ち人来たらず
38胸の内言ひしぶりたる四月ばか    待ち人来たらず
39別れ霜過去も未来もレール上     ゴリラ女房
40リモートの笑つたままの四月馬鹿    ゴリラ女房
41草餅にふらりと並ぶ最後尾       ゴリラ女房
42草餅や指をまぶせり片栗粉       ゴリラ女房
43上野駅旅客ほどほど啄木忌       虚村
44春愁ひ幼き記憶私鉄駅         虚村
45みちのくの小駅の日暮れ修司の忌    虚村
46万愚節気になる人の愁ひ顔       虚村
47春風や娘の街へ続く空        ゴリラ女房

09月26日(月) 14時03分20秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧その2

⑰春雨の傘をはみ出す二人かな       おかめいんこ
⑱ ひこばえの年輪樹液かたまりぬ      おかめいんこ
⑲ 廃屋に入りたる鳥や風光る       おかめいんこ
⑳ 桃色に土手うめつくす大根の花     たんぽぽ
21無人駅花の枝風の置き土産      はんでめためたごっちょでごいす
22四月馬鹿五百羅漢の恵比寿顔    はんでめためたごっちょでごいす
23花御堂の乾く閑なき柄杓かな   はんでめためたごっちょでごいす 
24蛇穴を出づる野面の黙の中    はんでめためたごっちょでごいす
25ひこばゆる八幡の磴きりもなや   はんでめためたごっちょでごいす
26ウイルスを恐れぬ男四月馬鹿    酒ぎらい
27駅裏の女将自慢の木の芽和     酒ぎらい
28雲一朶茶畑をゆく新幹線      酒ぎらい
29上京を見送るホーム遠霞      なかやまとしこ
30画期的和製ワクチン四月馬鹿    なかやまとしこ
31ジョークなる言葉で済ます四月馬鹿  なかやまとしこ
32膝笑ふ名水笑ふ山笑ふ        なかやまとしこ

09月26日(月) 14時01分41秒    箱の番人    2021年3月の投句一覧 その1

① 駅頭で交わす名刺やつばくらめ    雲霧四左衛門
② 懸命に(が)雅号考え四月ばか    雲霧四左衛門
③ 穴出づる蛇や半身夢の中       雲霧四左衛門
④ 彼の世よりこの世へ桜吹雪かな    雲霧四左衛門
⑤ ほろ酔いで君への電話四月ばか    ちび丸
⑥ 帰り道駅から子猫ついてくる     一心太助
⑦ 毎日の嘘に埋もれる四月馬鹿     ひよこ豆
⑧ 春光や廃線ホーム包み込む      ひよこ豆
⑨ 軽やかに父の手外す冬囲い      ひよこ豆
⑩ 海鳥の声が甘える春の浜       ひよこ豆
⑪ 濡縁にやみあがりの妻木瓜の花    たんぽぽ
⑫ 天に舞い天よりおつる花吹雪     たんぽぽ
⑬ 土筆つむ我にとおるひと皆声をかけ  たんぽぽ
⑭ 土手にさくピンク色の海大根の花   たんぽぽ
⑮ 梅東風やフレヤースカートふくらます  おかめいんこ
⑯啓蟄やサッカーボール中空へ       おかめいんこ

09月26日(月) 13時59分30秒    箱の番人    2021年入賞句

【並選 】
 恋猫の鳴くよ濁音鼻濁音
    リズムがいい。恋猫に濁音鼻濁音が効いている。言葉を厳選して無駄がない。
    「鳴くよ」がもっと鳴いていいと飼い主の気持ちが出てると思った。

 卒業の第二ボタンの足りなくて
    この句はボタンをあげる側、もらう側の句として読める。
     本命の子に渡せたのか。「足りなくて」で終わっているのが余韻を含んでいる。


09月26日(月) 13時58分06秒    箱の番人    2021年2月の入賞句選者のコメント

星伸予 選
【特選】
  春一番ファインダ越しの潮飛沫

    春一番は立春を過ぎて初めて吹く強い南風。潮飛沫で風の勢い、潮の香も感じました。
    顔に受けるのではなくファインダ越しというのもリアル。季語が生きていて良い句ですね。

【秀逸】
 だみ声の唱名しきり冴え返る
    唱名とは仏、菩薩の名を称えること。だみ声は僧侶か家族であろうか。
     しきりに称えるだみ声だけが空間で響く。「冴え返る」の季語がその緊張感を表している。
     冴え返るには寒気のほかに、外の光や色が鮮やかに立上がる意味もある。


  水仙のおおむねひなた向きにけり
    花はたいてい日向をむく。この句に惹かれたのは「おおむね」
     実際に見てるのだな感じた。 切れ字のけりは大袈裟かと感じる人もいるかもしれないが、
    作者のユーモアだろうか。


09月26日(月) 13時56分42秒    箱の番人    2021年選者のコメント続き

折山選
【並選】恋猫の鳴くよ濁音鼻濁音    ますらお
  「濁音鼻濁音」が恋猫の鳴き声を上手く表現されていると同時に、句の調子をたいへん整えていると思います。ただ「鳴くよ」の「よ」をどう判断するか迷いました。普通であれば「鳴くや」にするだろうと思います。「よ」はこの場合、確認あるいは同意を求める感じがうかがえます。作者はたぶん身の回りの日常感をにじませたく「よ」にされたのでしょう。私は猫を飼った経験がなく「鳴くや」としてしまいます。
春待つや磨き上げたるハイヒール   おかめさくら
  「磨き上げたる」に気持ちがこもっています。切れ字の効果も鮮やかです。完了の助動詞の連体形も的確。下五も名詞でぴしっと決まっています。

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