ハマブン句会 投句箱

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09月27日(火) 16時13分51秒    箱の番人    2022年8月入賞句 選者のコメント

芦野選
特選
《電飾のリゾートホテル夏の月》
リゾートホテルにもいろいろあろうが「電飾」が見事にその低俗さを表現。けばけばしく俗化された月がやるせない。
秀逸
《枝豆や父母の馴れ初め聞きたくて》
年頃の女の子と母親の情景なのであろう。最初に提示された「枝豆や」の謎が「聞きたくて」で、納得する仕掛け。母娘が一緒に何かをしているが、その何かは読者の想像に委ねられている。一緒に枝から豆のさやを外しているのか。ビール瓶を真ん中にして枝豆をつまんでいるのか。
《花台に白い折鶴終戦忌》
清楚なたたずまいの句。焦点が絞られているが、さらに絞るために「花台に」を「花台の」へ変更し、歴史的仮名遣いのために「白い」を「白き」に変更してはどうか。
並選
《日帰りの列車でメール盆の月》
状況を詰め込んだ句。「日帰りの列車」で行けるところに故郷かお墓があり、「メール」をする相手は、一緒に盆参りをした人か留守宅の人。もう遅い時間なので月が出ている。いろいろ読めてしまう点がもったいない。
《巻き波の音の溶けゆく良夜かな》

09月27日(火) 16時12分09秒    箱の番人    2022年8月の入賞句選者のコメント

荒井選
特選
③《巻き波の音の溶けゆく良夜かな》波頭を巻くようにして砕け散る様を 音の溶けゆくとの表現に脱帽。恐らく月の翳りの無い明るさに癒された作者の心根の現れかと思う。

秀逸
㉜《同窓会頬のほてりと樹間月》懐かしい面々の中に恋しく慕わしい人に再会。酔いも手伝ったものか頬が矢鱈に火照る。樹の間の月の何と美しいことか。
㊲《売れ残る夏葱一本影を置く》売れ残った一本の葱の哀れさ。いやいや強い自己主張の現れか くっきりとした影が想像される。

並選
⑥《道乞ひてにはかに佛書秋燈下》様々な想いが胸にはち切れんばかりに。そんなこんなで思わず佛書を繙いて見た。そして如何にや……。……良い季語を選びました。
⑫《枝豆や父母の馴れ初め聞きたくて》親をからかいながら 馴れ初めを聞く。そんな自分は半ば照れ隠しに枝豆を頬ばる。茹で加減は程良い。
⑲《秋峰の遥かを差せり道しるべ》道しるべによれば 目指す峰はずっと先。しかし すっきりと仕上がっている句柄から登山者の疲労を感じさせない一句である。

09月27日(火) 16時09分34秒    箱の番人    2022年8月の当句一覧 その2

㉔落柿舎やおうおうと言ふ竈馬     中山朝陽
㉕風の音やフウセンカズラふわり舞ひ  朧
㉖ジャズ流る湖月の隅でひとり珈琲   珍比良
㉗露草の欲しいままなる雫かな     座敷童
㉘せつなき夜月冴え渡る家路かな    弾機
㉙道の駅野菜に表示いとこの名     炙り烏賊
㉚彼の方も郷で観ている十三夜     レタス
㉛たどり着く本店の赤福氷       碇久枝
㉜同窓会頬のほてりと樹間月(このまづき)  つぐみ
㉝田んぼ道同行二人の蜻蛉かな     珍比良
㉞をちこちの涼に胡座す天龍寺     碇久枝
㉟神宮や五十鈴川にて水遊び      中山朝陽
㊱やまびこの昔の思い出朧月      紅葉
㊲売れ残る夏葱一本影を置く    天地無用
㊳秋初めほほ笑む観音鎌倉道     レタス
㊴一献に今宵の月のささ揺るる    座敷童
㊵追いかけつこ墓碑の林に秋の蝶   炙り烏賊
㊶甲虫祭りの逃亡か軒の下      朧
㊷花火へと急ぐ道のり遠くとも    天地無用
㊸大戦の前夜か知らむ終戦日     弾機
㊹ふるさとはほんのり甘き京すしの香  珍比良
㊺蝉時雨平和祈るか里の道    静御飯
㊻夭逝の行方よいづこ地蔵盆      天地無用
㊼足るを知り足らざるを知る端居かな  中山朝陽
㊽人の道35億さかのぼり    静御飯


09月27日(火) 16時07分59秒    箱の番人    2022年8月 投句一覧 その1

① 日帰りの列車でメール盆の月    朧
② 終了し足首痛い夜の道       紅葉
③ 巻き波の音の溶けゆく良夜かな   座敷童
④ 電飾のリゾートホテル夏の月    碇久枝
⑤ 居待ち月川上弘美に教えられ    ちび丸
⑥ 道乞ひてにはかに佛書秋燈下    弾機
⑦ 秋日和市松刻む土偶かな      レタス
⑧ 竹林を抜け落柿舎へ道をしへ    碇久枝   
⑨ 真昼時蟻の行く手にバスを待つ   朧 
⑩ 望月や水面にゆらぐ金砂子     炙り烏賊
⑪ 秋涼しバス定刻に止まりけり    レタス
⑫ 枝豆や父母の馴れ初め聞きたくて  座敷童
⑬ 汽車道を左見右見ゆくとんぼかな  弾機
⑭ 故郷は次第に遠く月今宵      天地無用
⑮ 青葉木菟子も猛禽ぞ産毛生え    つぐみ
⑯ 柿葺に青苔の香銀閣寺       碇久枝
⑰ 花台に白い折鶴終戦忌       レタス
⑱ フェンス沿い首都高速を走る月   炙り烏賊
⑲ 秋峰の遥かを差せり道しるべ    座敷童
⑳ 炎天下行き交う人無し洗顔す    朧
㉑野分立つ弓なり列島道として    天地無用
㉒応援の横幕消えしいわし雲     弾機
㉓三日月の下にある星金星や      紅葉


09月27日(火) 16時04分28秒    箱の番人    2022年7月8月の入賞句選者のコメント

<特選>
救急の音忽と消ゆ熱帯夜  弾機
救急車のサイレンが止まるのは、救助者の元に到着した時。まさか顔見知りのご近所さんでは?心配と不安が広がる。ヒヤリとした不安(寒気)と季語の熱帯夜が効いている。
<秀逸>
口下手と筆無精詫ぶ帰省かな   七転び八起き 
コロナ禍、多忙でなかなか帰省出来なかったのだろうか。あれこれ言い訳をせず、実直な人柄が垣間見えた。帰省した人の照れ笑い、迎える人の笑顔が想像できた。
花茣蓙を時計回りにころ寝の子   七転び八起き
親戚が集まるお盆のころ。似たような歳の子たちがお昼寝をしているのだろう。「時計回りに」が少しずつ集まる様子が分かる。花茣蓙から素足の感覚が伝わってくる。  
<並選>
徒跣ふろ場に続く古聞紙    炭酸水
ふろ場まで、どのくらいあるのだろう。何枚も続いている光景は滑稽で目に浮かぶ。「古聞紙」とあるから汚してもすぐ捨てることが出来る。一生懸命に働いた後のひとっ風呂、気持ち良さそう。
向日葵や形見の金貨返す旅    碇久枝 
「向日葵や」の切れ、金貨と向日葵の取り合わせがいい。(丸くて黄色)「形見」「返す」韻を踏でるのか。「金貨」=Kも?形見の暗さと向日葵の明るさが面白い。

09月27日(火) 16時02分39秒    箱の番人    2022年6月7月入賞句選者のコメント続き


折山選
<並遠>
夕映や裸足の跡の夏の浜    レモン
一読して景があざやかに浮かぶ。夕映は物や景色が夕日を浴びて美しく見えること。そして裸足の跡、夏の浜、感傷的になりそう。尚、「の」を2つにしたいと思ったが難しそう。   
短夜やことに短き初デート    忘却曲線
季語短夜には短いことを惜しむ気持ちが込められている。少しぎこちないながら、もっと長く一緒にいたいという気持ちがよく見える。
炎天下おお口競ふ雄の河馬    レモン
たしかに河馬の口は大きい。その姿からユーモラスな印象を受ける。だが口を開けて競うのはボス争いか、雌争いか、どちらにしても深刻なことだが、そう感じさせない句となっている。尚、「競ふ」と旧仮名遣いになっているので、「おお口」は「おほ口」として合わせたい。


09月27日(火) 16時01分34秒    箱の番人    2022年6月7月の入賞句選者のコメント

<特選>
岩清水登攀の指伝い来る   忘却曲線
岩壁を登るのは緊張感を伴う。岩を摑む指に力が入る。その指に冷たい岩清水が伝   わる。さらに緊張感が増す。岩登りをしたことのない自分にも岩清水の清冽さと登攀者の力が伝わってきた。岩清水で切れが入り、句にメリハリも生まれている。尚、「伝い来る」と現代仮名遣いになっているので口語句とみた。
<秀逸>
鳴き砂や裸足で家出したことも  七転び八起き
家出というと容易ならざる事態に聞こえるが、句からは子供が叱られて裸足で飛び出したことを想像した。裸足で浜辺を駆けているとキュッキュッと砂が鳴る。その音は「そうだ、そうだ」か「やめとけ、やめとけ」か。鑑賞して新鮮な感じがした。
古地蔵の前掛け白し更衣     弾機
白し」で一拍切れており、句が締まっている。経てきた年月を感じさせる地蔵と新しい白地の前掛けが印象的。動詞を使わずに情景を確実に捉えており読んで気持ちが良い。


09月27日(火) 14時56分29秒    箱の番人    2022年6月7月投句一覧 その3

47 夕立や窓の向ふは干したまま      レモン
48 刻手持て線香花火のちりちりと     表六玉
49 団子虫の殻累々と蟻の城        碇久枝
50 口下手と筆無精詫ぶ帰省かな     七転び八起き
51 誘蛾灯まゆ描くおんなの白き顔     炭酸水
52 夏盛りムンク「叫び」のやうな夜    弾機
53 鵺の声闇の中にて覚醒す        表六玉
54 ほの紅き睡蓮一輪動かざる       レモン
55 半眼の蟇負け犬のやう退さる     七転び八起き
56 銀ねずの日傘翳せば紳士かな      弾機
57 同窓会うたた寝の唇吸ふ藪蚊      碇久枝
58 白茶けた午後に朱色の立葵       炭酸水
59 白鷺よいちめん緑あたま出で      静御飯
60 爛々と一日限り仏桑花         レモン
61 一息を入れることなき歩荷かな    七転び八起き
62 蝉たちの一斉に鳴きて暑さ越へ     表六玉
63 向日葵や形見の金貨返す旅       碇久枝
64 夕立を南国の鳥連れてくる       炭酸水
65 花茣蓙を時計回りにころ寝の子    七転び八起き
66 若さかな素足のままのスニーカー   冒険句
67 引く波の裸足惑わす真砂かな     銀座カンカン娘
68 岩清水登攀の指伝い来る       忘却曲線
69 死のために生きる我が身や昼寝さめ  七転び八起き


09月27日(火) 14時55分26秒    箱の番人    2022年6月7月の投句箱その2

24 言い淀む別れの言葉夜の蝉       アガシ
25 蛍飛ぶ闇の深まり匂い水        表六玉
26 連峰はパステルのやう二重虹      百葉箱
27 駆け付けるかかりつけ医の跣かな    炭酸水
28 国産ぞ望みかなえるやせうなぎ     静御飯
29 叢の南瓜の花の咲きにけり       碇久枝
30 古地蔵の前掛け白し更衣        弾機
31 炎天下おお口競ふ雄の河馬       レモン
32 咆哮のやうな掛け声御柱        七転び八起き
33 猛暑日や日陰の道のありがたさ     弾機
34 四時間の防災会議蟻の城        碇久枝
35 ぢりぢりの真砂に跳ねる裸足かな    百葉箱
36 夕菅や今は昔の道辿る        銀座カンカン娘
37 微睡みて団扇の手より滑り落つ    表六玉
38 もぎたての香りの立ちしトマト好き   レモン
39 黒南風やゲリラ豪雨をひきつれて   七転び八起き
40 眠剤も効かぬ夜多し老いの夏      弾機
41 一コマを切り取る夏の庭花火      炭酸水
42 波幾多跣の底を掬いをり        浮き輪
43 車より出るに出られぬ大夕立     七転び八起き
44 夜会にはたびたび行くや立夏でも   紅葉
45 見るからに口が萎まる夏蜜柑     百葉箱
46 飛び跳ねる跣足生足波寄する      弾機


09月27日(火) 14時53分26秒    箱の番人    2022年6月7月の投句一覧 その1

① 熱い砂あわてて飛び込む波の中    表六玉
② 浮き輪踏む跣の感触懐かしむ     紅葉
③ 香水の今ひとふりの今宵かな     銀座カンカン娘
④ 小夜曲をグラスの底に虎が雨     百葉箱
⑤ 救急の音忽と消ゆ熱帯夜       弾機
⑥ そわそわと絵日記描く子の跣かな    炭酸水
⑦ 北野祭撫牛の耳大きかり        碇久枝
⑧ 灼熱を大地とつなぐはだしかな     静御飯
⑨ 祇園舟氏子の災禍海へ捨つ       弾機
⑩ 夕映や裸足の跡の夏の浜        レモン
⑪ 夜光虫ほのぼのとして両が手に     七転び八起き
⑫ 柿葺の青苔の香銀閣寺         碇久枝
⑬ 徒跣ふろ場に続く古聞紙        炭酸水
⑭ 歌丸の幽霊話聴く夏夜         弾機
⑮ 七夕やキララナイトのイベントライブ  表六玉
⑯ 皆で食ぶ土用鰻や手術前        碇久枝
⑰ 夏の怪夜はどこぞへ出かけるや     静御飯
⑱ 白鳥座夜空を眺み吾は宙へ       レモン
⑲ 鳴き砂や裸足で家出したことも     七転び八起き
⑳ 虫追ひし少年の日よ蝉時雨       弾機
21 蓮の葉の葉ごとに滴宿したる      碇久枝
22 河川敷跣に傾斜感じをり        炭酸水
23 短夜やことに短き初デート       忘却曲線


09月27日(火) 14時48分55秒    箱の番人    2022年5月の入選句選者のコメント

芦野選
特選
《青嵐シュルシュルシュルと鉋屑》
シュルシュルと勢いよく飛び出してくる鉋屑の動きが、製材所の周囲の山とそこを渡る風を想像させて爽やか。

秀逸
《野仏の五味の深まり苔の花》
この句の五味は仏語。牛乳を精製する際の五段階の味の最後が「醍醐味」で、涅槃の境地に比することもあるらしい。苔の花が美しい。

《夏鳥の皆抱卵し森静か》
「抱卵」の措辞巧み。豊かさと静けさを表現。

入選
《豆飯の味母に似て六十九》
六十九歳の作者が母を思う。その懐かしさが伝わる。
《ラブレーを机に載せて夏の酒》
荻野アンナさんの文芸講演会でラブレーの話を拝聴したばかり。夏の酒は冷えているのだろう。うまそうだ。

09月27日(火) 14時47分28秒    箱の番人    2022年5月の入賞句 

荒井選
特選句
《野仏の五味の深まり苔の花》
野仏に対峙していると衆生能力に応じて五味の深まりを感じる。それに季語の取り合わせが絶妙である。

秀逸句
《青嵐シュルシュルシュルと鉋屑》
屋外と思いたい。鉋屑の匂い 削る音など五感が心地よく刺激される一句である。
《石段の地下要塞へ蟻の列》
読み人は作者に上五から中七へ導かれて行く。その先には何と蟻の行列とは見事な落ちである。捻りが効いている。

並選
《制服のスカートめくり青嵐》
作者は男性か 幼少の頃を思い出して詠んだのか いやはやスカートを捲ったのは青嵐とは何ともはや……。
《薫風や三味の佳境の撥捌き》
奏者は一点を見つめて微動だにせず 一見無表情ではあるが筋肉は緊張している。その昂りに時折 薫風が鼻腔を掠めて行く。


09月27日(火) 14時46分08秒    箱の番人    2022年5月の投句一覧 その2

㉔茄子漬口中秘伝の味広ぐ       起上がり小法師
㉕青嵐セッカの股を広げたり      若葉
㉖薫風や三味の佳境の撥捌き      しらす
㉗梅雨晴間泥んこ跳ねる道普請     起上がり小法師 
㉘野仏の五味の深まり苔の花      しらす
㉙腕捲り久方造る穴子寿司       レタス
㉚病院の報せ待つ居間青嵐       苺大福
㉛石段の地下要塞へ蟻の列       碇久枝
㉜初下ろし鏡に写す浴衣かな      レタス
㉝巴里祭掲ぐる旗は「眠主主義」    弾機
㉞草取りのガールスカウト善光寺    碇久枝
㉟青梅をどつさり笑みと共に受く    起上がり小法師
㊱キャンパスの裏にひっそり蓮の花   静御飯
㊲青嵐二階の屋根を走り抜け      苺大福
㊳ふる里へ断捨離難き帰省かな     起上がり小法師
㊴開帳や回向柱の殿に         碇久枝
㊵高原で話の中の天の川        笹舟
㊶夏立つやホールをおほふ知の熱気   愚夫
㊷薄味の肴に夫は文句たれ       苺大福
㊸髪赤き講師見送る夏の月       愚夫
㊹山椒味ジャコの炒め煮舌痺れ     レタス
㊺狭庭を膨らませたり青嵐       苺大福
㊻ラブレーを机に載せて夏の酒     弾機


09月27日(火) 14時45分15秒    箱の番人    2022月5月の投句一覧 その1

2022年五月の投句一覧(俳号あり)
① 青嵐シュルシュルシュルと鉋屑     しらす
② 新緑やほどほどの坂歩ききる      レタス
③ 夏鳥の皆抱卵し森静か         瑠璃
④ 趣味にして自由気ままに春の朝     紅葉
⑤ 夏料理絶佳な母の隠し味        しらす
⑥ 賞味期限忘れた卵や猫の恋       紅葉
⑦ 白玉や水にくぐらせ淡き味       苺大福
⑧ 夏の日や糊をきかせた白シーツ     箱女
⑨ 制服のスカートめくり青嵐       碇久枝
⑩ 田植え終え白鷺一羽すっと立ち     静御飯
⑪ 青嵐吹き溜まりに居る待ちぼうけ    紅葉
⑫ ひとやすみ子供神輿のアイスクリン   瑠璃
⑬ 青嵐旅した兄は額の中         レタス
⑭ 憂き世にもポジティブに生く青あらし  弾機 
⑮ 吟醸の酒青冴えの立夏かな       しらす
⑯ 雨粒を避けて通るサイダーや      紅葉
⑰ 門前の名物七味御開帳         碇久枝
⑱ 豆飯の味母に似て六十九       箱女
⑲ 青嵐戸外が騒ぐ一軒家        笹舟
⑳ 汗飛ばし走る先にはバラの園     静御飯
㉑青嵐恋に割り込む隙の無く      起上がり小法師
㉒髪切りし頭吹き抜く青嵐       静御飯 
㉓高原で星空教室初夏の味       笹舟


09月27日(火) 11時52分38秒    箱の番人    2022年4月入賞句選者のコメント

星選 続き
並選
  夏めくやカンタービレに川の音
「カンタービレ」はクラシック音楽では、イタリア語・発想記号で「歌うように、表情豊かに。」という意味。「夏めくや」の切れがいいと思いました。カンタービレが流れのほど良い強さ、水量、そしてそれを聞いている作者の心情が分かります
  雨粒を受けて半眼青蛙
 ニホンアマガエルは、雨が降る前に鳴くことがあるそうです。雨粒ということは降り始めでしょうか。上五下五の「雨……」は湿度が感じられ、声に出して気持ちのいい句だと思いました。半眼の蛙の可愛らしさが伝わります。

09月27日(火) 11時49分36秒    箱の番人    2022年4月の入選句選者のコメント

星伸予選
特選
  青嵐シェークスピアの壁の穴
 真夏の夜の夢 「ホール・イン・ザ・ウオール」恋人同士が壁の穴を通してささやきあう。これは二人が結ばれるまでの障害を壁にたとえています。
青嵐は万緑をゆるがして吹きわたる風。「青嵐と万緑」これ以上の恋人同士がいるでしょうか。壁=行き止まり(暗)のイメージが穴という突破口(明)
発想もいいと思いました。
秀逸
  荒壁の鏝の返しや青嵐
 下塗をした壁に補修なのか仕上げ塗なのか。「鏝の返しや」に熟練された仕事ぶりが  想像出来ました。青嵐の季語が職人の爽快で明るい人柄まで見えてくるようです。
  どくだみは母の残り香深庇
 ドクダミの葉はハート型で臭いが強く、民間薬の原料として昔から重要とされています。母という存在は困った時には頼ってしまうけれど、普段は少々うっとうしい存在(私個人の感想)この句に惹かれたのはそういうことかもしれません。「母の残り香」は久しぶりに作者が実家戻られたのか、もうそこにお母様がいらっしゃらないのか。深庇が残り香を深めているような気がします。そういえば母の日が近いですね。



09月27日(火) 11時47分43秒    箱の番人    2022年4月入賞句 選者のコメント

折山正武選
特選 
  一斉に蛙の合唱母の郷
 久しぶりに故郷へお帰りになったのでしょう。帰郷を歓迎するかのように蛙が合唱した。技巧のない自然な詠みぶりに好感を持ちました。句の姿も整っていると思います。
秀逸
  降るたびに声のふくらむ蛙かな
 面白い捉え方です。蛙が鳴く時に喉がふくらむのを声がふくらむと表現されたのだと思います。雨が降るたびにふくらむ、しかもそのふくらみがひと雨ごとに大きくなっていきそうです。切れ字「かな」も上手く収まっています。
  白壁の揺るぐ青柳蔭ほのか
 白壁と蔭の句はよくありそうにも思いますが、作者は所謂類想などという観念はなく作られたと思います。たしかに白壁と蔭は印象的ですから、句にしたいという気持ちはよく解かるし、尊重したいと思います。
並選 
   牛蛙顔がなくなる大欠伸
 俳味たっぷりの句です。私はその情景を見たことはありませんが想像して笑えます。如何にもありそうです。口語的表現が味を深めているように思います。拍手。  
  静かなる白壁の街夏日影
 「静かなる」と説明しないで分かる五音の情景描写がないかと思いましたが難しいでしょうか。人通りの少なくなった旧い街並みが想像されます。尚、「夏日影」の影は陽光を謂い所謂物の蔭ではありませんね。「かぐやひめ」の「かぐ」や「輝く」の「かが」も同じ語源です。

09月27日(火) 11時15分20秒    箱の番人    2022年4月の投句一覧 その3

自由題
㉗五月雨に旅に向かうや時近し       
㉘夏めくやカンタービレに川の音      
㉙今年竹ひと夜に塔を下に見て      
㉚朧月家路へそぞろ歩きかな       
㉛観覧車天空に座す光る風        
㉜春うらら絵本背表紙ひうふうみい    
㉝篝火に煌めく神輿納めかな       
㉞青葉山だいだらぼっちのサラダかと   
㉟どくだみは母の残り香深庇       
㊱2Bのひらがな濃し一年生    
㊲退職の妹の上京豆の花      

09月27日(火) 11時14分20秒    箱の番人    2022年4月の投句一覧その2

兼題 蛙 青蛙 雨蛙
⑭蛙飛ぶ木の間の水面輪になりけり     
④雨蛙珪藻壁を登りをり          
⑮河鹿鳴く清水こぼるる大菩薩       
⑯あたり来ぬ釣りや蛙の目借時       
⑰牛蛙顔がなくなる大欠伸         
⑱硝子戸に腹を見せたる痩せ蛙       
⑲ひと啼きをお願い申す雨蛙       
⑳降るたびに声のふくらむ蛙かな     
⑨海渡り帰宅の壁に青蛙         
㉑別れ来て蛙の声のする方へ        
㉒雨粒を受けて半眼青蛙        
㉓蛙泳ぐ前足所在無しにかな       
㉔一斉に蛙の合唱母の郷         
㉕植える手の親父そっくり青蛙      
㉖二つの目青の中より青蛙   

09月27日(火) 11時13分07秒    箱の番人    2022年4月投句一覧 その1

兼題 壁
①乗り越える壁の向こうは虹かかり     
②朧夜の壁の落書き子は嫁に        
③青嵐シェークスピアの壁の穴       
④雨蛙珪藻壁を登りをり          
⑤白壁の揺るぐ青柳蔭ほのか         
⑥荒壁の鏝の返しや青嵐        
⑦盲壁仄とリラの香透かしけり      
⑧春灯や壁へ伝わる淡き影        
⑨海渡り帰宅の壁に青蛙         
⑩静かなる白壁の街夏日影         
⑪鯉幟翁は爽と壁テニス         
⑫姫路城真白き壁や春の月        
⑬白壁に影大揺れの朴の花  

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