投句数はひとり5句まで
兼題俳句をひとつずつ入れてください
投句後の編集はできません。
06月07日(土) 21時44分40秒 箱の娘 6,7月の兼題[前のページ] [次のページ]
投句箱の蓋が開きました。
季題 「涼し」
詠み込み漢字 「声」 これ自体は季語ではありません。季語を入れてください。
お一人五句
ご注意ください‼
締め切りは7月31日(木)
皆さまのたくさんの投句をお待ちしています。
06月07日(土) 20時01分16秒 箱男 5月度入選句
おめでとうございます。
06月07日(土) 19時58分33秒 箱男 5月度入選句コメント5
【今月の入選句】
句会の運営方法:
句会参加者全員に特選一句と入選四句を選んでいただきます。特選は2点、入選は1点と得点化し、それを集計します。集計した結果の上位二句を当月の特選とし、次の上位八句を秀逸句といたします。なお、同一得点の場合の順位は、当番司会者の判断によります。
今月は以下のとおりとなりました。
特選
¬《新茶汲むただそれだけの誠かな すみか》
5点句でした。平凡な生活の中にしみじみとした情感がある。新茶の価値をみごとにアピールしているという評価でした。
《大鍋に跳ぬる辣油や街薄暑 ケーナ》
5点句でした。上五中七のダイナミックさを季語の「街薄暑」が静かに受けているとの評価でした。
秀逸
《臥す獅子の鬣重し夏に入る 真以耶》
5点句でした。ライオンのたてがみの重苦しさと季語の「夏に入る」の取り合わせの良さが評価されました。作者はよく動物園に行くということで、実見の説得力を感じさせる句となりました。
《ビルケナウ鉄路の上に蟻のをり 桃一》
4点句でした。作者によればビルケナウはアウシュビッツからバスで5分ぐらいの距離にあり、150万人とも300万人とも言われるユダヤの人たちが送り込まれた引込線がある場所だそうです。その引込線の最後が切れている所を作者はご覧になった。小さな蟻しか詠まれていませんが、蟻が亡くなった方々のようにも、80年前が今現在のようにも感じられるという評価でした。
06月07日(土) 19時56分04秒 箱男 5月度入選句コメント4
《夕日入るトリスバー跡桜桃忌 桃一》
4点句でした。太宰の有名な写真と「斜陽」を想起させる。時刻をうまく使っているという評価でした。「跡」が懐かしさを感じさせる。献杯したいという感想もありました。
《帰り際母が手渡す新茶かな 静御飯》
3点句でした。「帰り際」に母の優しさが表現されているという評価でした。渡す相手が娘なのか、息子なのか、独身なのか等の想像が膨らむという感想がありました。
《ひとり家の庭をわがもの四十雀 並木》
3点句でした。思うままに行き来している四十雀の贅沢と寂しさ。それを独り身の自分と重ねて鑑賞できるとの評価でした。
《生醤油に舌先痺れ洗鯉 ケーナ》
4点句でした。酢味噌で食べるのが普通だが、これも美味しそう。舌先の痺れがいいとの評価でした。
《こゆるぎの祭り疲れの子を肩に ペガサス》
4点句でした。「こゆるぎ」が「小揺るぎ」だけでなく「小余綾」という枕詞であり且つ大磯付近の浜の地名にもなっているという複雑な作りの句でもあるのですが、夏祭りの情景をストレートに鑑賞できるとの評価でした。
《青嵐二年(ふたとせ)ぶりのつけまつ毛 睡蓮》
3点句でした。青嵐とつけまつ毛の取り合わせの面白さが評価されました。作者はダンスの発表会につけまつ毛で臨んだということでした。
06月07日(土) 19時48分24秒 箱男 5月度入選句コメント3
他の3得点句の評のいろいろ
《はらからの閑話休題新茶くむ ペガサス》
てんでに盛り上がったおしゃべりが止み、みんなで新茶をいただこうと一つになる。その変化が巧みに捉えられているとの評価でした。
《老いてなほ若くありたし新茶かな 王茶堂》
新茶が大好きだった母を思い出すという鑑賞があリました。若さを願う心が新茶に込められているとの評価でした。
《走り茶の終の一滴我がものに ペガサス》
最後の一滴は栄養も香りもよい。新茶の喜びを独り占めにしたいという気持ちがよく出ているとの評価でした。
《夏の月ひかり孕むや油凪 浜防風》
きれいな情景の句という評価でした。「孕む」でいいのかにつては作者も悩まれたそうです。光を孕んでいるのが油凪であれば、三段切れになるとの指摘がありました。
《緞帳の上がるが如く夏に入る ヒロシ》
夏を迎えるワクワク感が表現されているとの評価でした。ただし、この直喩表現にはもっと工夫があってもいいのではないかという意見がありました。
《口喧嘩ひとり家路の油照 浜防風》
生々しい感情を俳句の型におさめているとの評価でした。
《沈黙の時を埋めたしパセリ噛む 真以耶》
パセリに季節感はないが沈黙との取り合わせが面白いとの評価でした。「時を埋めたし」に作者の意思が入っているのでやや説明になっているとの感想もありました。
06月07日(土) 19時46分19秒 箱男 5月度入選句コメント2
2得点句の評のいろいろ
《若葉風リュックの揺るる船見坂 真以耶》
「船見坂」が小樽の船見坂であれば、傾斜のきつさをリュックの揺れが表現しているとの評価でした。句会参加者のほとんどがこの坂を知らなかったことから、固有名詞の使い方で意見の交換がありました。
《熨斗付きの新茶とりもつお近付き 並木》
丁寧な暮らし方を懐かしむ感想がありました。ただし「熨斗」は正月の季語でもあるということと、やや説明的になっているという指摘がありました。
《少年に還る渚の素足かな 王茶堂》
砂浜に行くと少年に戻った感覚になるのが表現されているという評価でした。作者は渚に立っていると、引き波に足裏の砂がさらわれてくすぐったかった少年時代を思い出すそうです。
《帰るべき故郷遠し雲の峰 まさひろ》
望郷の念がよく現れているとの評価でした。
《隠れ家の開かずの窓や薔薇の香 ペガサス》
作者はアンネ・フランクの父からアンネの隠れ家に咲いていた薔薇をいただいたそうです。アンネは隠れ家の窓を少しだけ開けて薔薇の香を楽しんでいたようです。そのような複雑な事情があるのであれば、前書きが必要なのではないかという意見が出ました。
《母の日の何にもなくて鰈焼く ヒロシ》
「何にもなくて」の「て」に、作者の孤独な思いが込められているとの感想がありました。
《分針を越す秒針や新茶淹る ケーナ》
新茶を淹れる時間の気配りに加え、針のような新茶の形状を想起させるという評価でした。
06月07日(土) 19時43分08秒 箱男 5月入選句のコメント1
一得点句の紹介
《夏浅し宅配ピザの油染み 真以耶》
《朝凪や油のやうな海おもて ヒロシ》
《夏来る油断ちたる娘かな 静御飯》
《うつし世は儚く灯る絵らふそく まさひろ》
《夏料理勝手に鎮座オリーブ油 静御飯》
《カエルなくかまびすしさは過去のこと 漣》
《釣忍隣は浮かぶ地球かな 桃一》
《腕上げた俄か庭師の新茶かな 桃一》
《宿に着き新茶を一服荷を降ろし 漣》
《孫淹れる新茶少しも渋くなし すみか》
《出勤のタイトスカート南風 王茶堂》
《円窓に余る借景山若葉 ヒロシ》
《一人居の新茶香らせ栞解く 真以耶》
以 上
06月01日(日) 11時34分17秒 箱の住人 無題
投句一覧表に投句された句がない方はお手数ですが、
下記アドレス(箱の住人)までメールをお願いいたします。
kukaibako2023@gmail.com
06月01日(日) 11時29分00秒 箱の住人 投句一覧
お待たせしました。5月は75句の投句をいただきました。ありがとうございます。
2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その1
1.新茶汲む祖父の形見の唐子茶碗
2.すわ停電夏のピークの油舐め
3.新茶来る志野焼茶碗取り出せる
4.夕凪や油すましの出る峠
5.夏浅し宅配ピザの油染み
6.近松の油地獄や神無月
7.朝凪や油のやうな海おもて
8.夏来る油断ちたる娘かな
9.母の日や八十ゆゑ油断召さるるな
10.はらからの閑話休題新茶くむ
11.大鍋に跳ぬる辣油や街薄暑
12.老いてなほ若くありたし新茶かな
13.新調の夏服悲し油染み
14.白茶碗染むる新茶の緑かな
15.若葉風リュックの揺るる船見坂
16.コロコロと新茶のカンや遊ぶ子ら
17.夕日入るトリスバー跡桜桃忌
18.うつし世は儚く灯る絵らふそく
19.夏料理勝手に鎮座オリーブ油
20.思ひ出や母の慣ひの新茶汲む
21.アメリカの娘に新茶香のたより
22.熨斗付きの新茶とりもつお近付き
23.夏草に覆われ埋もる古き家
06月01日(日) 11時27分48秒 箱の住人 投句一覧
2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その2
24.新茶淹れし金継ぎ茶碗午後の居間
25.向日葵や油絵筆を黄に降ろす
26.生醤油に舌先痺れ洗鯉
27.カエルなくかまびすしさは過去のこと
28.少年に還る渚の素足かな
29.釣忍隣は浮かぶ地球かな
30.帰るべき故郷遠し雲の峰
31.産地より届く荷物の新茶の香
32.ひとり家の庭をわがもの四十雀
33.脇道をカナヘビするりと通り越し
34.走り茶の終の一滴我がものに
35.「ひとは少しずつ変わる」といふ曲ありて夏の雨
36.受け継ぎし茶匙で運ぶ新茶の香
37.青嵐二年(ふたとせ)ぶりのつけまつ毛
38.油田には夢があるなり朝ぼらけ
39.腕上げた俄か庭師の新茶かな
40.売りに行くブリキ玩具に薄日射し
41.亡霊は見るやヨットを油壷
42.登山電車のスイッチバック七変化
43.口中の新茶に浮かぶ舌であり
44.宿に着き新茶を一服荷を降ろし
45.一日の照れ笑ひをビールの泡で流し込む
46.隠れ家の開かずの窓や薔薇の香
47.ママチャリや油切れたる夏の原
48.臥す獅子の鬣重し夏に入る
49.母の日の何にもなくて鰈焼く
50.孫淹れる新茶少しも渋くなし
06月01日(日) 11時26分37秒 箱の住人 投句一覧
2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その3
51.出勤のタイトスカート南風
52.皆の舞ひ本をめぐって春霞
53.夏の夕布地のごとし油凪
54.封切れば駿河の香り新茶着く
55.いつまでも空家の庭に薔薇が咲く
56.五月晴れテレビはいつも一億総豚
57.帰り際母が手渡す新茶かな
58.分針を越す秒針や新茶淹る
59.ビルケナウ鉄路の上に蟻のをり
60.油買ふ唐揚げのため春休み
61.円窓に余る借景山若葉
62.夏の月ひかり孕むや油凪
63.一人居の新茶香らせ栞解く
64.こゆるぎの祭り疲れの子を肩に
65.油菜に蝶のひらひら真昼時
66.新茶摘む昔の思ひ出はるかなり
67.夏至の夜の冷凍唐揚げ油はね
68.緑陰やランチに添へるオリーブ油
69.薄暑かな旅先で食す油そば
70.緞帳の上がるが如く夏に入る
71.海見ゆる寺の階段濃紫陽花
72.時止まる母が注ぎし新茶かな
73.口喧嘩ひとり家路の油照
74.沈黙の時を埋めたしパセリ噛む
75.新茶汲むただそれだけの誠かな
06月01日(日) 00時34分43秒 箱の住人 無題
投句箱の蓋が締まりました。
5月も沢山の投句ありがとうございました。
投句一覧は後ほど掲示板に載せます。
05月09日(金) 18時11分23秒 箱の娘 5月の兼題
投句箱の蓋が開きました。
季題 「新茶」
詠み込み漢字 「油」 これ自体は季語ではありません。季語を入れてください。
お一人五句
締め切りは5月31日(土)
皆さまのたくさんの投句をお待ちしています。
05月08日(木) 22時36分55秒 箱男 4月入選句
おめでとうございます。
05月08日(木) 22時34分01秒 箱男 4月入選句コメント6
【今月の入選句】
句会の運営方法:
句会参加者全員に特選一句と入選四句を選んでいただきます。特選は2点、入選は1点と得点化し、それを集計します。集計した結果の上位二句を当月の特選とし、次の上位八句を秀逸句といたします。なお、同一得点の場合の順位は、当番司会者の判断によります。
今月は以下のとおりとなりました。
特選
¬《引き出しの一つ空きたり衣更 浜防風》
7点句でした。誰か亡くなった方がおられたのか。あるいは要らなくなった服を捨てて新しくさっぱりした気持ちで更衣を迎えようとしているのか。いろいろな事情を予想させるという鑑賞でした。それをプラス面とするか、マイナス面とするかで評価が分かれる句でした。なお正しい季語は「衣更」ではなく「更衣」であろうという指摘がありました。
《若冲の象かもしれぬ聖五月 真以耶》
5点句でした。聖なる動物とみなされる像と聖五月を取り合わせたというのが作者の弁でした。もともと若冲が好きで、GWに動物園で象を見たとき「若冲だ」と思われたとのこと。若冲の像と聖五月の関係の分かり難さを指摘する意見もありました。
05月08日(木) 22時32分51秒 箱男 4月入選句コメント5
秀逸
《逝く春や塗り重ねたるゴッホの黄 ペガサス》
5点句でした。ゴッホの黄色が「ひまわり」の明るい黄色なのか「麦畑」の不気味な黄色なのかで、観賞の方向が分かれる句となりました。
《鎌倉や小津に見せたし朧月 まさひろ》
3点句でした。小津監督の映画のような美しい風景が浮かぶとの評価でした。ただ「見せたし」では終止形になるため連体形「見せたき」ではないかとの指摘がありました。
《更衣つんつるてんの順送り 桃一》
3点句でした。中七の言葉の面白さ、「お下がり」ではなく「順送り」としたところが作者の工夫だという評価でした。作者は実際にお兄さんから送られてきたものを着た思い出があるそうです。
《更衣デイサービスの月曜日 ケーナ》
3点句でした。更衣とデイサービスの取り合わせが珍しいとの評価でした。何故「月曜日」であるのかについて疑問が残るという意見がありました。
05月08日(木) 22時31分38秒 箱男 4月入選句コメント4
《片割れのピアス見つけし衣更 浜防風》
3点句でした。お気に入りのピアスが揃ったことで更衣の服選びが楽しくなる。そんな喜びを感じるとの評価でした。ただし、「見つけし」と、過去を表す助動詞「し」を完了の意味で誤用しているとの指摘がありました。
《朋友と喜寿の祝ひの粽かな ヒロシ》
3点句でした。季語の「粽」がよく効いている句で、朋友が子供の頃から遊んだ友であることが分かる。良い景色が見えてくるとの評価でした。粽には魔除けの意味もあるので、次の傘寿への願いが込められているとの鑑賞もありました。
《筍や一皮ごとの弁証法 桃一》
3点句でした。筍と弁証法の取り合わせの面白さが評価されました。作者は筍が自己否定しながら上へ伸びていくイメージを持っていたようです。一方、切った筍の皮を剥いでいくイメージでの鑑賞もありました。
05月08日(木) 22時29分43秒 箱男 4月入選句コメント3
3得点句の評のいろいろ
《新緑や旅の終わりの五稜郭 すみか》
素直な句と評価されました。旅の終わりが、新撰組の転戦の終わりも想像させるという鑑賞がありました。なお、「終わり」の歴史的仮名遣いは「終はり」であり、送り仮名も「り」送りとし、結局「終り」の表記になるのではとの指摘がありました。
《たかんなや能登の塗師の心意気 ヒロシ》
筍の生命力を被災地・能登の漆器塗りの職人たちの気構えと重ねた意図に同調すると評価されました。「心意気」は語り過ぎとの意見もありました。
《ダービーや地下道くぐる十八匹(き) ヒロシ》
ダービーのスタートにつくために潜っていく地下馬道。地上にはやがて姿を現す馬たちを待っている大観衆がいる。その緊張感が表現されていると評価されました。疑問が集中したのは最後の「匹(き)」の表記です。通常なら「騎」とするところを無理やり「匹」にしているのはなぜか。「騎」が人と馬をセットで表すのでそれを避けたのか。残念ながら作者が句会に参加されていなかったので意図を確認することができませんでした。
《交番のいつもの禿頭更衣 ペガサス》
日常生活の場での季節の切り替わりを巧みに捉えていると評価されました。中七が八音となっているという指摘がありました。
《更衣父の齢を越えにけり 王茶堂》
更衣の時ふと思い浮かんだこと。それが亡き父のことであり、翻って今の自分のこと。この一瞬に二人の歴史をしみじみ感じるという評価でした。
05月08日(木) 22時27分00秒 箱男 4月入選句コメント2
2得点句の評のいろいろ
《畔塗の終は手仕事ぱんぱんと すみか》
仕事が終わった実感、その手触り感があるという評価でした。
《血塗られし肥後田原坂風薫る 並木》
西南戦争の激戦地であった昔と現在の平和な田原坂の対比が効いているという評価でした。暗い出来事に明るい季語を合わせたり、明るい出来事に暗い季語を合わせたりするのは一つの手法であるとの紹介がありました。また、「血塗られし」の助動詞「し」が過去のこととして正確に使われているとの指摘がありました。
《ふつふつと蕗煮る音や若葉風 カケス》
蕗の季節感が出ていると評価されました。しかし「蕗」と「若葉風」の季重なりであることや上五の工夫不足が指摘されました。また同じ季重なりでも他の季語の邪魔にならない忌日を取り合わせる提案がありました。「若葉風」に替えて「晶子の忌、白桜忌(与謝野晶子の忌日は五月二十九日)」が例です。
《二丁目の料理教室夏隣 カケス》
春から始まった料理教室。包丁捌きにも慣れ、次は早くも夏料理に挑む。そんな感慨を感じるとの評価でした。上五の「二丁目の」が分からないという意見が多かったのですが、作者が句会を欠席していましたので確認できませんでした。
《連休の粥炊く音や麻疹の子 浜防風》
麻疹でせっかくの連休が無駄になった子を思う親の気持ちがよく分かるという評価でした。
《朝凪や海へ拡がる機関音 ヒロシ》
爽やかな海の朝が活写されているという評価でした。
05月08日(木) 22時25分06秒 箱男 4月入選句コメント1
一得点句の紹介
《新しく買ふことのなき衣更 ヒロシ》
《塗り替へし壁輝きて花水木 カケス》
《放課後の話の尽きぬ日永かな 真以耶》
《阿修羅像のまぶしきまなこ春深し 王茶堂》
《田楽の味噌は秘伝やあまた塗る 並木》
《みちのくの入り口まぢか花は葉に ペガサス》
《額縁の塗り剥がれ落つ日永かな ケーナ》
《夏浅し香箱座りのあくび猫 睡蓮》
《弥生の庫の鼠返しや風薫る すみか》
《更衣母の形見の帯の衣魚 王茶堂》
《あゝ荒野読みし明けやら寺山忌 まさひろ》
《夜着軽く眠りも軽き更衣 ケーナ》
《ぬける空山塗りかへる若葉風 桃一》
《元絵師の塗り絵三昧老いの春 ペガサス》
《ひともみな清しく見えて更衣 カケス》
《捨てられぬ吾に叱られ更衣 すみか》
以上