ハマブン句会 投句箱

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08月08日(金) 20時09分39秒    箱男    6月7月入選句コメント1

《山笠やオイサオイサの声走る  並木》
《転生は海月がいいわ独り笑み  浜防風》
《蛍追う父のふるした竹箒  桃一》
《海霧の中エンジン音の遠ざかる  ヒロシ》
《サイダーの弾ける泡と追ふ夢と  まさひろ》
《潮騒をとぎれとぎれに端居かな  王茶堂》
《中華屋のコツプ紫陽花午後三時 桃一》
《雲ヴェール脱ぎてつるんと夏の月  浜防風》
《海鳥のたかる潮目や鰹船  ヒロシ》
《手を離れシュート涼しき弧を描く  静御飯》
《世渡りの上手さだけあり蝉の殻  川上えりさ》
《面影の一つひとつを辣韮漬  桃一》
《山道の聲も潤ふ石清水  浜防風》
《夏霧や走り根の階奥社まで  ジャンダルム》
《鎧なる化粧落とすや夕涼し  真以耶》


以 上


08月01日(金) 11時43分40秒    箱の住人    無題

投句一覧表に投句された句がない方はお手数ですが、
下記アドレス(箱の住人)までメールをお願いいたします。

kukaibako2023@gmail.com


08月01日(金) 11時41分24秒    箱の住人    投句一覧

お待たせしました。6月7月は113句の投句をいただきました。新記録です。ありがとうございました。

2025年6月7月 兼題「涼し」 一文字「声」 一覧 その1

1.朝涼やしをるる花に獣の毛
2.夏至の夢声にもならぬオノマトペ
3.空青し山車曵く子等のはずむ声
4.店員の頑張れの声夜店かな
5.雪渓の軋む谺や円空忌
6.毎朝にアイスコーヒー欠かせない
7.ひょっとこや涼しき脛の右左
8.しがみつき声の限りの蝉の歌
9.笹ノ葉に星見え隠れ夕涼し
10.30度涼しと言える日本かな
11.幾たびの苦難も涼し鑑真像
12.土用東風くつ脱石の熱奪ふ
13.風鐸の涼しき声や法隆寺
14.球場に声援の渦夏来る
15.風流れ湖畔の町の涼しさよ
16.亡き義母の声の聞きたく豆ご飯
17.日高路やヒンドスタンの像涼し
18.扇風機羽根に千切れて聲震ふ
19.子供らの声が渦巻くキャンプかな
20.歓声は隣のテラス大花火
21.パソコンの回線不調熱帯夜
22.見ゆるのは田んぼと山や里涼し
23.麦藁帽声の大きなお人好し


08月01日(金) 11時40分34秒    箱の住人    投句一覧

2025年6月7月 兼題「涼し」 一文字「声」 一覧 その2

24.災いの種が蒔かれて梅雨に入る
25.帰省子にトーン弾ける母の声
26.一心に目指す天空揚花火
27.夏霞声に出すや長い時
28.横たへる紫紺の照りや初なすび
29.西の京ロータスロード涼しけれ
30.雪渓軋む十一文の健脚に
31.父が撮る浴衣姿の娘たち
32.ひょっとこが千鳥足ふむ祭あと
33.雲の峰アルプス席の歓声よ
34.九十四年生きし遺影の母涼し
35.膝小僧を寄せて線香花火かな
36.アナザースカイ我は機上の人となる
37.夏の月酒酌む父の喉仏
38.向日葵や肥の効き目をあらたかに
39.紫陽花の色の移ろひ濃く淡く
40.声明の流るる古刹木下闇
41.薬師寺の睡蓮鉢がお出迎え
42.油蝉筋肉痛を知らぬ子ら
43.涼しい日庭の水まき心地よい
44.息切らし登りし山頂風涼し
45.ダアリアやマイクを握り絞る声
46.此は如何に溽暑呑み込む北の街
47.水色の綿菓子噛んで風涼し
48.東大寺読経の声に蓮開く


08月01日(金) 11時39分31秒    箱の住人    投句一覧

2025年6月7月 兼題「涼し」 一文字「声」 一覧 その3

49.あやす声逆らふ声の髪洗ひ
50.ふるさとの快音頼む晩夏かな
51.夕凪や誰が呼ぶ声のきこえける
52.大花火終へて火薬の匂ひ未だ
53.友垣の訃報ひとひら秋の声
54.駆け抜ける君起こす風涼を呼ぶ
55.コテメンドー稽古に励む声涼し
56.開拓の三代目なり昆布刈る
57.菖蒲田の外れに苔碑芭蕉の句
58.山椒魚過去は黙して語らざる
59.地下鉄の側溝の水夏の果
60.月涼し声色を変え読み聞かす
61.黒ビール飲み干す泡の粒痛し
62.涼しさや珊瑚の浜の潮の声
63.室内の涼しさ外に熱捨てて
64.滝涼しまた遭おうといふ友の居て
65.飼ひ犬の部屋の冷房目盛り下げ
66.白南風や市場に響く競りの声
67.オロロンの道は真っ直ぐ風涼し
68.手花火のもみじ手つつむ両手かな
69.大声でスッキリするのは夏の昼
70.山笠やオイサオイサの声走る
71.大声の身振り手振りや滝しぶき
72.打ち寄する水脈の涼しや浮御堂
73.転生は海月がいいわ独り笑み


08月01日(金) 11時38分24秒    箱の住人    投句一覧

2025年6月7月 兼題「涼し」 一文字「声」 一覧 その4

74.小康の友や涼しき午後のお茶
75.潮焼や銜へ煙草が目に沁むる
76.項垂るる向日葵並ぶ明日は雨
77.蛍追う父のふるした竹箒
78.プラレール孫の声する夏休み
79.海霧の中エンジン音の遠ざかる
80.星出でて涼しさもたらす夜風かな
81.サイダーの弾ける泡と追ふ夢と
82.多摩川の土産はこれと痩せ鰻
83.長き夜の母の声色アンデルセン
84.「超国宝」人波かすか観世音
85.潮騒をとぎれとぎれに端居かな
86.空高く庭の水浴び子らの声
87.中華屋のコツプ紫陽花午後三時
88.雲ヴェール脱ぎてつるんと夏の月
89.海鳥のたかる潮目や鰹船
90.ふるさとへタイムスリップ祭笛
91.手を離れシュート涼しき弧を描く
92.雑草と呼るる草に風涼し
93.「こんにちは」の声も涼しや異邦人
94.打水や眩しき雫見失ふ
95.世渡りの上手さだけあり蝉の殻
96.面影の一つひとつを辣韮漬
97.熊よけの鈴の谺や山開き
98.声のして母かと向かば夕立かな


08月01日(金) 11時32分27秒    箱の住人    投句一覧

2025年6月7月 兼題「涼し」 一文字「声」 一覧 その5

99.夏の浜吾子呼ぶ聲もかき消され
100.でで虫を応援する子銀の道
101.ためらはず光落として大花火
102.宵涼し旧友とゆく奈良の旅
103.図書館もクールシェルター本涼し
104.涼しさや流るる水の静けさや
105.マス埋めし数独涼し星三つ
106.山道の聲も潤ふ石清水
107.息ひそめ樟脳船にボンボヤージュ
108.ぬばたまの夜の瀬音や酒涼し
109.島の路地真赤に染めて虞美人草
110.声明は飛鳥仏より聞こえおり
111.夏霧や走り根の階奥社まで
112.鎧なる化粧落とすや夕涼し
113.朋友と喜寿の祝ひの粽かな


08月01日(金) 00時41分15秒    箱の住人    無題

投句箱の蓋が締まりました。
6.7月も沢山の投句ありがとうございました。
投句一覧は後ほど掲示板に載せます。


07月07日(月) 19時33分35秒    箱の娘    6,7月の兼題

季題       「涼し」
詠み込み漢字   「声」 これ自体は季語ではありません。季語を入れてください。 
6,7月合わせてお一人10句まで投句できます。5句でもかまいません。
ご注意ください‼
締め切りは7月31日(木)   
皆さまのたくさんの投句をお待ちしています。


06月07日(土) 21時44分40秒    箱の娘    6,7月の兼題

投句箱の蓋が開きました。
季題       「涼し」
詠み込み漢字   「声」 これ自体は季語ではありません。季語を入れてください。 
お一人五句
ご注意ください‼
締め切りは7月31日(木)   
皆さまのたくさんの投句をお待ちしています。


06月07日(土) 20時01分16秒    箱男    5月度入選句

おめでとうございます。

06月07日(土) 19時58分33秒    箱男    5月度入選句コメント5

【今月の入選句】
句会の運営方法:
句会参加者全員に特選一句と入選四句を選んでいただきます。特選は2点、入選は1点と得点化し、それを集計します。集計した結果の上位二句を当月の特選とし、次の上位八句を秀逸句といたします。なお、同一得点の場合の順位は、当番司会者の判断によります。
今月は以下のとおりとなりました。

特選
¬《新茶汲むただそれだけの誠かな すみか》
5点句でした。平凡な生活の中にしみじみとした情感がある。新茶の価値をみごとにアピールしているという評価でした。
《大鍋に跳ぬる辣油や街薄暑 ケーナ》
5点句でした。上五中七のダイナミックさを季語の「街薄暑」が静かに受けているとの評価でした。

秀逸
《臥す獅子の鬣重し夏に入る  真以耶》
5点句でした。ライオンのたてがみの重苦しさと季語の「夏に入る」の取り合わせの良さが評価されました。作者はよく動物園に行くということで、実見の説得力を感じさせる句となりました。
《ビルケナウ鉄路の上に蟻のをり  桃一》
4点句でした。作者によればビルケナウはアウシュビッツからバスで5分ぐらいの距離にあり、150万人とも300万人とも言われるユダヤの人たちが送り込まれた引込線がある場所だそうです。その引込線の最後が切れている所を作者はご覧になった。小さな蟻しか詠まれていませんが、蟻が亡くなった方々のようにも、80年前が今現在のようにも感じられるという評価でした。


06月07日(土) 19時56分04秒    箱男    5月度入選句コメント4

《夕日入るトリスバー跡桜桃忌  桃一》
4点句でした。太宰の有名な写真と「斜陽」を想起させる。時刻をうまく使っているという評価でした。「跡」が懐かしさを感じさせる。献杯したいという感想もありました。
《帰り際母が手渡す新茶かな  静御飯》
3点句でした。「帰り際」に母の優しさが表現されているという評価でした。渡す相手が娘なのか、息子なのか、独身なのか等の想像が膨らむという感想がありました。
《ひとり家の庭をわがもの四十雀  並木》
3点句でした。思うままに行き来している四十雀の贅沢と寂しさ。それを独り身の自分と重ねて鑑賞できるとの評価でした。

《生醤油に舌先痺れ洗鯉  ケーナ》
4点句でした。酢味噌で食べるのが普通だが、これも美味しそう。舌先の痺れがいいとの評価でした。
《こゆるぎの祭り疲れの子を肩に  ペガサス》
4点句でした。「こゆるぎ」が「小揺るぎ」だけでなく「小余綾」という枕詞であり且つ大磯付近の浜の地名にもなっているという複雑な作りの句でもあるのですが、夏祭りの情景をストレートに鑑賞できるとの評価でした。
《青嵐二年(ふたとせ)ぶりのつけまつ毛  睡蓮》
3点句でした。青嵐とつけまつ毛の取り合わせの面白さが評価されました。作者はダンスの発表会につけまつ毛で臨んだということでした。


06月07日(土) 19時48分24秒    箱男    5月度入選句コメント3

他の3得点句の評のいろいろ
《はらからの閑話休題新茶くむ  ペガサス》
てんでに盛り上がったおしゃべりが止み、みんなで新茶をいただこうと一つになる。その変化が巧みに捉えられているとの評価でした。
《老いてなほ若くありたし新茶かな  王茶堂》
新茶が大好きだった母を思い出すという鑑賞があリました。若さを願う心が新茶に込められているとの評価でした。
《走り茶の終の一滴我がものに  ペガサス》
最後の一滴は栄養も香りもよい。新茶の喜びを独り占めにしたいという気持ちがよく出ているとの評価でした。
《夏の月ひかり孕むや油凪  浜防風》
きれいな情景の句という評価でした。「孕む」でいいのかにつては作者も悩まれたそうです。光を孕んでいるのが油凪であれば、三段切れになるとの指摘がありました。
《緞帳の上がるが如く夏に入る  ヒロシ》
夏を迎えるワクワク感が表現されているとの評価でした。ただし、この直喩表現にはもっと工夫があってもいいのではないかという意見がありました。
《口喧嘩ひとり家路の油照  浜防風》
生々しい感情を俳句の型におさめているとの評価でした。
《沈黙の時を埋めたしパセリ噛む  真以耶》
パセリに季節感はないが沈黙との取り合わせが面白いとの評価でした。「時を埋めたし」に作者の意思が入っているのでやや説明になっているとの感想もありました。


06月07日(土) 19時46分19秒    箱男    5月度入選句コメント2

2得点句の評のいろいろ
《若葉風リュックの揺るる船見坂  真以耶》
「船見坂」が小樽の船見坂であれば、傾斜のきつさをリュックの揺れが表現しているとの評価でした。句会参加者のほとんどがこの坂を知らなかったことから、固有名詞の使い方で意見の交換がありました。
《熨斗付きの新茶とりもつお近付き  並木》
丁寧な暮らし方を懐かしむ感想がありました。ただし「熨斗」は正月の季語でもあるということと、やや説明的になっているという指摘がありました。
《少年に還る渚の素足かな  王茶堂》
砂浜に行くと少年に戻った感覚になるのが表現されているという評価でした。作者は渚に立っていると、引き波に足裏の砂がさらわれてくすぐったかった少年時代を思い出すそうです。
《帰るべき故郷遠し雲の峰  まさひろ》
望郷の念がよく現れているとの評価でした。
《隠れ家の開かずの窓や薔薇の香  ペガサス》
作者はアンネ・フランクの父からアンネの隠れ家に咲いていた薔薇をいただいたそうです。アンネは隠れ家の窓を少しだけ開けて薔薇の香を楽しんでいたようです。そのような複雑な事情があるのであれば、前書きが必要なのではないかという意見が出ました。
《母の日の何にもなくて鰈焼く  ヒロシ》
「何にもなくて」の「て」に、作者の孤独な思いが込められているとの感想がありました。
《分針を越す秒針や新茶淹る  ケーナ》
新茶を淹れる時間の気配りに加え、針のような新茶の形状を想起させるという評価でした。


06月07日(土) 19時43分08秒    箱男    5月入選句のコメント1

一得点句の紹介
《夏浅し宅配ピザの油染み  真以耶》
《朝凪や油のやうな海おもて  ヒロシ》
《夏来る油断ちたる娘かな  静御飯》
《うつし世は儚く灯る絵らふそく  まさひろ》
《夏料理勝手に鎮座オリーブ油  静御飯》
《カエルなくかまびすしさは過去のこと  漣》
《釣忍隣は浮かぶ地球かな  桃一》
《腕上げた俄か庭師の新茶かな  桃一》
《宿に着き新茶を一服荷を降ろし  漣》
《孫淹れる新茶少しも渋くなし  すみか》
《出勤のタイトスカート南風  王茶堂》
《円窓に余る借景山若葉  ヒロシ》
《一人居の新茶香らせ栞解く  真以耶》

以 上


06月01日(日) 11時34分17秒    箱の住人    無題

投句一覧表に投句された句がない方はお手数ですが、
下記アドレス(箱の住人)までメールをお願いいたします。

kukaibako2023@gmail.com


06月01日(日) 11時29分00秒    箱の住人    投句一覧

お待たせしました。5月は75句の投句をいただきました。ありがとうございます。

2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その1

1.新茶汲む祖父の形見の唐子茶碗
2.すわ停電夏のピークの油舐め
3.新茶来る志野焼茶碗取り出せる
4.夕凪や油すましの出る峠
5.夏浅し宅配ピザの油染み
6.近松の油地獄や神無月
7.朝凪や油のやうな海おもて
8.夏来る油断ちたる娘かな
9.母の日や八十ゆゑ油断召さるるな
10.はらからの閑話休題新茶くむ
11.大鍋に跳ぬる辣油や街薄暑
12.老いてなほ若くありたし新茶かな
13.新調の夏服悲し油染み
14.白茶碗染むる新茶の緑かな
15.若葉風リュックの揺るる船見坂
16.コロコロと新茶のカンや遊ぶ子ら
17.夕日入るトリスバー跡桜桃忌
18.うつし世は儚く灯る絵らふそく
19.夏料理勝手に鎮座オリーブ油
20.思ひ出や母の慣ひの新茶汲む
21.アメリカの娘に新茶香のたより
22.熨斗付きの新茶とりもつお近付き
23.夏草に覆われ埋もる古き家


06月01日(日) 11時27分48秒    箱の住人    投句一覧

2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その2

24.新茶淹れし金継ぎ茶碗午後の居間
25.向日葵や油絵筆を黄に降ろす
26.生醤油に舌先痺れ洗鯉
27.カエルなくかまびすしさは過去のこと
28.少年に還る渚の素足かな
29.釣忍隣は浮かぶ地球かな
30.帰るべき故郷遠し雲の峰
31.産地より届く荷物の新茶の香
32.ひとり家の庭をわがもの四十雀
33.脇道をカナヘビするりと通り越し
34.走り茶の終の一滴我がものに
35.「ひとは少しずつ変わる」といふ曲ありて夏の雨
36.受け継ぎし茶匙で運ぶ新茶の香
37.青嵐二年(ふたとせ)ぶりのつけまつ毛
38.油田には夢があるなり朝ぼらけ
39.腕上げた俄か庭師の新茶かな
40.売りに行くブリキ玩具に薄日射し
41.亡霊は見るやヨットを油壷
42.登山電車のスイッチバック七変化
43.口中の新茶に浮かぶ舌であり
44.宿に着き新茶を一服荷を降ろし
45.一日の照れ笑ひをビールの泡で流し込む
46.隠れ家の開かずの窓や薔薇の香
47.ママチャリや油切れたる夏の原
48.臥す獅子の鬣重し夏に入る
49.母の日の何にもなくて鰈焼く
50.孫淹れる新茶少しも渋くなし


06月01日(日) 11時26分37秒    箱の住人    投句一覧

2025年5月 兼題「新茶」 一文字「油」 一覧表 その3

51.出勤のタイトスカート南風
52.皆の舞ひ本をめぐって春霞
53.夏の夕布地のごとし油凪
54.封切れば駿河の香り新茶着く
55.いつまでも空家の庭に薔薇が咲く
56.五月晴れテレビはいつも一億総豚
57.帰り際母が手渡す新茶かな
58.分針を越す秒針や新茶淹る
59.ビルケナウ鉄路の上に蟻のをり
60.油買ふ唐揚げのため春休み
61.円窓に余る借景山若葉
62.夏の月ひかり孕むや油凪
63.一人居の新茶香らせ栞解く
64.こゆるぎの祭り疲れの子を肩に
65.油菜に蝶のひらひら真昼時
66.新茶摘む昔の思ひ出はるかなり
67.夏至の夜の冷凍唐揚げ油はね
68.緑陰やランチに添へるオリーブ油
69.薄暑かな旅先で食す油そば
70.緞帳の上がるが如く夏に入る
71.海見ゆる寺の階段濃紫陽花
72.時止まる母が注ぎし新茶かな
73.口喧嘩ひとり家路の油照
74.沈黙の時を埋めたしパセリ噛む
75.新茶汲むただそれだけの誠かな


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